技能実習生を受入れている企業さまで、もっとも避けなければならないのが「認定取り消し」です。
いくら大勢の技能実習生を受入れていても、認定が取り消されてしまうと技能実習生は帰国なりの憂き目にあう可能性もあり、また企業さまの今後の事業計画もイチから立て直さなければならなくなります。
しかし、世の中では認定が取り消される受入企業が後を絶ちません。
どうすれば認定取り消しを避けることができるのでしょうか。
今回は、認定取り消しにならないための2つの方法をお教えします。
01 認定取り消しにならないために
技能実習生を受入れる方法には「企業単独型」と「団体監理型」の2種類があり、2021年末の時点では企業単独型が1.4%、団体監理型が98.6%となっており、団体監理型がほとんどを占めています。
その中でも、不正行為により認定取り消しを受けた受入企業は、99%以上が団体監理型で技能実習生を受け入れている企業なので、ほとんどの団体監理型の受入企業は、認定取り消しを受ける可能性を秘めているともいえます。
認定取り消しを受けないためにはどうすればよいでしょうか。
01-01 認定取り消しにならないためにその1【コンプライアンス意識の向上】
認定取り消しを受けないための方法その1は、企業のコンプライアンス意識を向上させることです。
受入企業が認定取り消しをうけるケースは、労基法違反や技能実習法違反、上陸基準省令違反などがあります。
「法律なので、難しい言葉が多くてわからないよ」なんてことは決してなく、内容は「職場の安全にしっかり配慮しているか」「働いた分の給料をしっかり支払っているか」「技能実習生を人道的に雇用しているか」など、「当たり前のことを当たり前」にやっていれば違反することはないことがほとんどです。
また、これらの法律をしっかり意識することで副産物的に受入企業にもたらされるものに「日本人にとっても働きやすい職場環境になる」ということがあります。
コンプライアンスをしっかり守って、日本人も外国人も働きやすい職場環境を目指しましょう。
01-02 認定取り消しにならないためにその2【ちゃんとした監理団体を選ぶ】
「コンプライアンス意識を高めるなんて、そんな簡単にはできないよ。」
そんな時に頼りにすべきなのが監理団体です。
監理団体の業務は、「技能実習が健全に行われているかしっかり監理すること」です。
逆説的にいうと、監理団体は「認定取り消しにならないためのノウハウをもったプロ」でもあるわけです。
監理団体は、受入れ1年目は毎月、受入れ2年目以降は3か月に一度必ず受入企業を訪問し、様々な確認をおこないます。
その確認の幅は、労基法からはじまり上陸基準省令にまでおよび、果ては技能実習生の私生活や人間関係にまで目を届かせます。
給料の明細で何かおかしなところがあれば受入企業に指摘をし、また日々の実習で暴力などがおこなわれていないかも厳しくチェックします。
つまり、監理団体が企業訪問をして確認し、何も問題がなければ、その受入企業は認定取り消しを受けない企業であるといえます。
しかし、認定取り消しを受ける企業が後を絶ちません。
それはどういうことでしょうか。
簡単にいえば、監理団体がするべき仕事をしていない、ということです。
経費の面から「やっていない」ということもあれば、能力的な面から「できない」ということもあるでしょう。
いずれにせよ、監理団体が当たり前にこなさなければならない監理業務を疎かにした結果が、受入企業の認定取り消しなのです。
監理団体の不備による認定取り消しなんて憂き目にあわないために気を付けることはただ一つ、「ちゃんとした監理団体を選ぶこと」です。
月々の監理費が安いからといって監理団体を選んでいませんか?
監理費が安いのには理由があります。
正当な理由で安いのか、それとも必要な部分を削っての安さなのか、しっかり確認するようにしましょう。
その監理団体は、監理するだけの能力がありますか?
人員が足りず、申請も外部任せなどにしていませんか?
実習生とコミュニケーションのとれないサポートスタッフが訪問していませんか?
定期訪問で実習状況、給与状況の確認などをしっかりおこなっていますか?
監理団体がチェックしさえすれば改善できたことが見落とされ、認定取り消しになったりしたらたまったものではありません。
02 法令違反事例
ここで、いままでに認定取り消しとなった際の主な違反事例を見てみましょう。
安全基準や衛生基準など「労働安全衛生法」に係わる不正行為や、賃金の支払に係わるの不正行為が多くみられます。
しかしこの中には、機械劣化の点検不備や給与ソフトによる悪意のない賃金不払いが発生してしまうなど、すぐに防ぐことができる違反も含まれていると考えられます。
「監理団体選びが大切」ということが改めてうかがえます。
03 まとめ
ここまで見てきた通り、御社の技能実習の成功のためには、コンプライアンス意識の向上と、監理団体選びが欠かせません。
エヌ・ビー・シー協同組合では、技能実習を初めたばかリの企業さまには監理団体の併用もお勧めしています。
監理費相場がわかったり、監理団体の業務内容の比較もできるからです。
技能実習の運用についてのご質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください。