技能実習生の受入企業さまから「なかなか実習生の日本語が上手にならない」という相談を受けることがありますが、いつもお伝えしているのは「たった2つのポイントをおさえるだけで日本語は上達していく」ということです。
今回は特別に(!)、その秘伝のポイントを伝授いたします。
01 日本語が上達するポイントは「意識させること」!
技能実習生の日本語が上達する、まずひとつめのポイントは「日本語に意識してふれさせること」です。
具体的には
・同僚の日本人との積極的なコミュニケーション
・技能実習生同士のコミュニケーションも日本語
・どんどん外出して生きた日本語にふれる
などといったことがあげられます。
配属されて間もない頃はまだ日本語がうまく使えず、実習生同士のコミュニケーションは母国語を使いがちです。
日本での生活に慣れていなければなおさらです。
だからこそ、「意識して日本語にふれる」ように促してください。
日本人の従業員からも積極的に日本語でコミュニケーションをとるようにし、生活の中で使う「生きた日本語」にふれる機会を増やすよう心がけてください。
最初は理解できなくても、構いません。
繰り返し日本語で話しかけ、外出にも同行するなどして、意識して日本語にふれさせるようにしてください。
02 日本語が上達するポイントは「意識させないこと」!
技能実習生の日本語が上達するふたつめのポイントは「意識させないこと」です。
ひとつめのポイントと矛盾しているように思えるかもしれませんが、わかりやすくいうと「日本語にふれていることを意識させない」ということです。
具体的には
・(ストレスなく)好きな日本の漫画を読む
・(ストレスなく)バラエティなどのテレビ番組を見る
などがあげられます。
興味のある漫画やテレビ番組を、決して「日本語を勉強するため」ではなく、リラックスして「生活の一部」として読んだり見たりするよう促してください。
日々の実習に加えて日本での生活に慣れようとがんばっているところに、日本語の勉強もがんばるというのはかなりのストレスになります。
意識せずとも日本語にふれている、そんな環境下にいることがベストです。
特にバラエティ番組のテロップなどは、「強調したいフレーズ・実際に使われる表現」にふれることができますので、日本語習得に非常に効果的です。
とにかく大切なことは、ストレスを感じない状態で当たり前に日本語にふれるということです。
それまで単なる「音」に聞こえていた日本語が、ある日「言葉」として認識できる瞬間がやってきます。
03 日本語の教科書は「時々」でOK!
文字の履修や初級の文法の学習のためには教科書が必要です。
しかし、それ以降は時々復習や小テストにつかう程度で十分です。
実習生に必要なのは、日々の実習、日本の生活で使用する「生きた日本語」です。
きれいで正しい日本語を覚えることは無駄なことではありませんが、コミュニケーションのとれる日本語能力習得が目的であれば、やはり遠回りになってしまいます。
04 まとめ
「日本人は英語を話せない」
聞き飽きるほど聞いたフレーズですが、義務教育であれだけ勉強したのに英語でコミュニケーションがとれない理由も、ここまで読んでいただければおわかりでしょう。
語学習得に必要なのは「実践」です。
語学にかぎらず例えば野球ひとつとっても、どれだけバットスイングの理論を勉強しても実際に素振りをしないと上達しませんし、バッターボックスに立たなければホームランを打つこともできません。
そして単にバッターボックスに立つだけでなく、どんな意図をもってどんなボールが投げられたのか、そのボールを自分はどのように打ち返そうとするのか、具体的にしっかり考えることで上達のスピードも変わってきます。
意識して日本語にふれ、意識せず日本語にふれる。
まるで禅問答のようですが、日本語上達のポイントはこれに尽きます。
コミュニケーションがうまくとれないことは大きなストレスになりますが、日本語が上達することでストレスも軽減し、実習の習熟度もあがっていきます。
エヌ・ビー・シー協同組合は、実習生のスキル向上に関してもしっかりサポートし、企業さまの技能実習の成功のために全力で取り組んでまいります。