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技能実習の認定取消は累計713件|育成就労制度への移行で監督・処分はこう強化される

技能実習計画の認定取消は、2018年から2026年6月までで累計713社、取り消された計画数は11,238件にのぼります。2027年4月1日に施行される「育成就労制度」では、監理支援機関の許可制厳格化、新たな監督機関の設立、不法就労助長罪の厳罰化により、受入れ企業に対する監督・処分がさらに強化されます。

▼関連情報
新制度「育成就労」とは?制度の内容と技能実習制度との違いを詳しく解説

制度移行を機に、自社の労務管理・在留管理体制を法令に沿って点検することが、安定的な外国人材受入れの必須条件となります。

比較項目技能実習制度育成就労制度(2027年4月1日施行)
監督機関外国人技能実習機構(OTIT)外国人育成就労機構(新設予定)
監理・支援組織監理団体(許可制)監理支援機関(許可制・外部監査人の設置を義務化)
受入れ企業の手続技能実習計画の認定育成就労計画の認定
不法就労助長罪の法定刑3年以下の懲役・300万円以下の罰金5年以下の拘禁刑・500万円以下の罰金(2025年6月施行済)

技能実習の認定取消「 累計713件」の事実と背景

この資料でわかること
・技能実習計画の認定取消「累計713件」の実態
・育成就労制度で強化される監督・処分の4ポイント
・認定取消につながる具体的な違反行為の5つの例
・受入れ企業が今すぐ点検すべき3つの対策
目次

技能実習の認定取消は累計713社|まず件数の推移をご確認ください

受入れ企業(実習実施者)に対する技能実習計画の認定取消は、2018年から2026年6月までで累計713社に達しています。

2017年11月の技能実習法施行以降、監理団体は「許可制」、受入れ企業は技能実習計画の「認定制」となり、外国人技能実習機構による監査体制が整備されました。不正が発覚した場合、改善命令や、特に重い場合には「認定取消」といった行政処分が下されます。 認定が取り消されると、その企業は技能実習生の受入れができなくなる(受入れ停止処分)ため、事業運営に致命的な影響を及ぼします。

実際の認定取消件数の推移は以下のとおりです。

受入れ企業の認定取消件数(社数)
2018年4社
2019年14社
2020年66社
2021年157社
2022年119社
2023年137社
2024年46社
2025年115社
2026年(1〜6月)55社
累計713社

処分件数は2020年以降に急増し、2025年にも再び115社と高い水準を記録しています。これは、行政処分が一部の悪質な企業に限った話ではなく、規模や業種を問わず、すべての受入れ企業様が直面し得るリスクであることを示しています。

取り消された「技能実習計画」は1万1千件以上

処分を受けた企業数は713社ですが、取り消された技能実習計画の件数でみると、同期間で11,238件にのぼります。 技能実習計画は「技能実習生ごと」「段階(1号・2号等)ごと」に認定されるため、1社が処分を受けると複数の計画が同時に取り消されます。1社あたり平均で約16件の計画が取り消されている計算です。

【注意】過去の計画取消による間接的なリスク 11,238件の中には、すでに実習を終えて帰国した方や、特定技能へ移行済みの旧計画も含まれるため、すべてが即座に人員不足に直結するわけではありません。しかし、過去に遡って計画が取り消されると、「特定技能への試験免除による移行資格」を失うなどの間接的な大ダメージが生じる点に注意が必要です。

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なぜ処分件数が増えたのか|背景は監査・実地検査体制の強化

処分件数が増加している主な背景は、「違反企業が増えた」というよりも、外国人技能実習機構による監査・実地検査の網が格段に厳しくなったことにあります。

同機構は、実地検査や帳簿書類の確認、関係者への質問などを行う強い権限を持っています。近年は実地検査の頻度が上がっているほか、労働基準監督署との合同指導・連携も強化されています。

つまり、「これまでは見過ごされていた(あるいは気づかなかった)運用が、検査の強化によって表面化している」という構図です。「これまでのやり方で問題なかったから大丈夫」という認識は通用しなくなっています。

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認定取消につながる違反行為の5つの例|「これも違反?」に注意

認定取消は、技能実習法第16条に基づき、認定された技能実習計画の効力を失わせる重い処分です。 

公表されている事例を見ると、重大な労働災害だけでなく、「良かれと思って」「知らなかった」では済まされない日常的な管理不足も対象になっています。

違反行為の例主な根拠条文
旅券(パスポート)や在留カードの保管技能実習法第16条第1項第7号 等
認定計画と異なる作業への従事/賃金未払い・不当減額技能実習法第16条第1項第1号
違法な時間外労働(労働基準法違反)技能実習法第16条第1項第3号 等
4日以上の休業を要する労災で、労働者死傷病報告を怠った(遅滞した)労働安全衛生法違反(計画取消事由)
機構職員への虚偽の帳簿提示・虚偽の答弁技能実習法第16条第1項第5号

特に注意したいのが「旅券(パスポート)の保管」です。「紛失防止のために本人から頼まれて預かっていた」という言い分であっても、制度上は一発アウト(違反行為)となり、認定取消の事由になります。 

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育成就労制度で監督・処分が強化される4つのポイント

2027年4月1日に施行される「育成就労制度」では、受入れ企業に対する監督と処分の枠組みがさらに厳格化されます。
現時点で示されている主な強化点は以下の4点です。 

ポイント1:監理支援機関の許可制厳格化と「外部監査人」の設置義務
技能実習制度の監理団体は「監理支援機関」へと名称を変え、許可基準が厳格化されます。さらに外部監査人の設置が義務付けられ、受入れ開始後1年間は「毎月1回以上」の実地確認・指導が課されるため、企業へのチェック体制が常態化します。

ポイント2:関係機関(育成就労機構・入管・労基署)の連携強化
新設される「外国人育成就労機構」は、地方出入国在留管理局や労働基準監督署との情報共有をより密にします。これにより、一箇所の不備がすべての監督機関に即座に共有される仕組みになります。

ポイント3:不法就労助長罪の厳罰化(2025年6月施行済)
不法就労助長罪の法定刑が、従来の「3年以下の懲役・300万円以下の罰金」から「5年以下の拘禁刑・500万円以下の罰金」へ引き上げられました。在留資格の確認を怠ったという「過失」がある場合も処罰対象となるため、企業の確認義務は非常に重くなっています。

ポイント4:受入れ人数枠と育成・支援体制の適正化
受入れ企業ごとの「受入れ人数枠」の基準が見直されるほか、単なる労働力としてではなく「育成」を行うための体制が厳しく審査されます。

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認定取消を防ぐために受入れ企業様が確認すべき3つのこと

新制度への移行は、自社の労務管理・在留管理体制を見直す絶好のタイミングです。認定取消リスクをゼロにするため、以下の3点を必ず点検してください。

  1. 労働基準法・労働安全衛生法の遵守状況の再徹底
    時間外労働の正確な記録、賃金台帳の適正管理に加え、万が一の労災発生時に「労働者死傷病報告」を遅滞なく提出できる体制を整えてください。
  2. 在留カードの適切な確認と「期限管理」の自動化・システム化
    不法就労助長罪は「知らなかった」では済まされません。採用時だけでなく、在留期間の更新タイミングをアラート管理できる体制が必要です。
  3. コンプライアンス意識の高い「監理支援機関」の選定
    今後の監理支援機関には、厳格な外部監査への対応力が求められます。単に手続きを代行するだけでなく、貴社の法令遵守(コンプライアンス)を並走してサポートしてくれるパートナーを選ぶことが最大のリスクヘッジになります。

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まとめ|制度移行を機に、法令遵守体制の再点検を

技能実習制度における認定取消は累計713社、計画取消は1万1千件を超えており、2027年からの育成就労制度ではさらにその目が厳しくなります。処分を受ければ、企業名の公表や受入れ停止により、人員計画や事業運営に深刻なダメージが及びます。

大切なのは、件数の多さに不安を抱くことではなく、「自社の体制に死角がないか」を客観的にチェックし、新制度へ向けて先手を打つことです。

エヌ・ビー・シー協同組合は、約20年にわたる外国人材の受入れ支援の実績を活かし、現行制度のコンプライアンス診断から、育成就労制度へのスムーズな移行までを一貫してサポートしています。「自社の労務管理に不安がある」「新制度に向けて何を準備すればいいかわからない」という企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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【参考・出典】
出入国在留管理庁「外国人技能実習制度」
外国人技能実習機構「行政処分等(認定の取消し一覧・令和8年5月27日版)」
出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」
公益財団法人 国際人材協力機構(JITCO)「育成就労制度」
厚生労働省「資料2 育成就労制度の概要」

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