「技能実習日誌」をご存じでしょうか?
技能実習生をすでに受け入れている企業さまや、受入れ経験のある企業さまであれば、おそらく「技能実習日誌」をご存じない方はいらっしゃらないでしょう。
しかし、初めて技能実習生を受入れる企業さまであれば、ご存じない方や、聞いたことはあってもどんな内容なのかはわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
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「技能実習日誌」とはどういうものなのか、何を目的に記載されるのか、どのように利用されるのかなどについて解説していきます。
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01 技能実習日誌とは
技能実習日誌とは、日々の技能実習が技能実習計画に沿って行われているかどうか確認するための大切な書類です。
その具体的な目的と、記入方法、注意点について順に見ていきましょう。
02 技能実習日誌の目的
技能実習日誌作成の目的は、大きく分けると以下の2つです。
- ・技能実習計画に沿って技能実習がおこなわれているかどうかの確認書類として
- ・技能実習生の日々の指導を円滑におこなうための手段
02-01 技能実習日誌の目的①技能実習計画に沿った内容かどうか
技能実習制度とは、技能実習生が日々の実習を通じて技術を修得し、母国の発展に寄与する人材に育つことを目的とした国際貢献の制度です。
そのため、技能実習生を受入れる前に必ず技能実習計画を提出し、認可される必要があります。
しかし、受入れ前に認可されただけで終りでは、本当に実習が計画通り行われているのか分かりません。
技能実習生の日々の実習が、技能実習計画通りに行われているのかどうかを確認するための書類として、技能実習日誌が作成されます。
そして技能実習機構が監査を行う際、実習が計画通りに行われているか確認するためにも用いられます。
02-02 技能実習日誌の目的②技能実習生の指導円滑化
技能実習制度は技術の習得を目的としています。
効率よく技術を習得するためにも、日々の実習内容を技能実習指導員が把握しておく必要があります。
受入企業やその現場によって複数の指導員がいるケースもありますが、技能実習日誌は毎日記録しますので、担当する指導員が変わった際にもそれまでの作業内容を共有でき、効率的に実習することが可能になります。
03 技能実習日誌の記入方法
それでは、技能実習日誌の記入方法を見ていきましょう。
03-01 技能実習日誌の記入方法①記入内容
技能実習日誌に記入する内容は次の4項目です。
- ・実習を行った日付
- ・技能実習生が従事した実習の内容
- ・技能実習生に対する指導の内容
- ・担当した指導員の名前
「技能実習生が従事した内容」については、必須業務と関連・周辺業務を記入します。
「技能実習生に対する指導の内容」では、実習指導員がどの内容の指導を行ったのかを記入します。
これにより、必須作業等が適切に指導されているかを確認することができます。
03-02 技能実習日誌の記入方法②具体的な書き方
技能実習日誌は、作業場所と時間が同じであれば1枚にまとめて記載できますが、それぞれが別の場合は別のシートに分けて記載する必要があります。
技能実習日誌は、技能実習機構でフォーマットが用意されています。
PDFとWordの形式で用意されていますので、手書きの場合・PCを利用する場合でそれぞれを利用できます。
技能実習機構で書類の用意はされていますが、必ずしもこの書類に記入する必要はなく、必要項目さえ揃っていれば、企業さまで記載しやすい簡単な形式での作成も可能です。
ちなみにエヌ・ビー・シー協同組合では、記載しやすいようにオリジナルのマークシート式の書類を用意しており、「とても記入しやすい」とご好評いただいております。
04 技能実習日誌に関する注意点
技能実習日誌に関して注意点が3つあります。
04-01 注意点①技能実習日誌の記載者
注意すべき点の1つ目として、技能実習日誌は受入企業の技能実習指導員の方が毎日記載する必要があります。
その日にどのような指導をし、どのような実習が行われたかを把握している方が記入する必要があるからで、技能実習日誌の意義を考えれば当然のことといえます。
04-02 注意点②技能実習日誌の保管期間
技能実習日誌の保管期間は、実習終了後1年間となっています。
つまり技能実習生が配属されてから、最低でも4年間保管するということになります。
技能実習生が3年間どのような実習を行っていたのかの記録となりますので、トラブル防止にもつながります。
また、技能実習機構の監査の際には必要になりますので、常に備えておく必要があります。
04-03 注意点③実習計画に無い作業の場合
技能実習では、必須業務の他に関連業務として定義されているものであれば作業することが可能ですが、その際には、技能実習日誌に「関連業務」として記載する必要があります。
必須作業は年間50%以上の割合とされていますが、毎日技能実習日誌に記載することで、業務のバランスについてもしっかり把握することができます。
05 まとめ
技能実習日誌に記載する内容、その目的等について解説してきました。
これから技能実習生の受入れを始める企業さまも、イメージできたでしょうか。
改めて、技能実習日誌の目的は以下の2つです。
- ・技能実習計画に沿って技能実習がおこなわれているかどうかの確認書類
- ・技能実習生の日々の指導を円滑におこなうための手段
そして、技能実習日誌を活用することには以下の意義があります。
- ・技能実習計画と齟齬が出ないよう日々確認できること
- ・技能実習生の日々の実習内容を把握でき、効率よく技能を修得できること
毎日記載する書類ですから、ややもすると億劫に感じることもあるかもしれませんが、ぜひ上手に活用していきましょう。
エヌ・ビー・シー協同組合は、技能実習生の受入れが初めての企業さまでも書類作成でトラブルがおきないようしっかりサポートしています。
技能実習の8つのポイントをしっかり押さえて成功に導きましょう。