この数年で生活様式が大きく変化しましたが、外国人技能実習生の面接方法も変わりました。
外国人技能実習生の面接の何が変わりこれからどうなっていくのか詳しく見ていきましょう。目次
面接のポイントがよくわかる無料ダウンロード資料
【本音を見抜く面接要約ガイドブック】

- この資料でわかること
- 面接でのポイント
- 現地面接について
- Web面接について
- 選考のポイント
01 面接の種類 ~面接は全部で3種類
現在、面接の方法は大きくわけて3種類あります。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、比較してみてみましょう。
現地面接・Web面接・代理面接の比較 | |||
現地面接 | Web面接 | 代理面接 | |
費用 | 【デメリット】 移動費交通費宿泊費が必要 |
【メリット】負担無し(会社での参加が可能) | 負担無し(監理団体・送り出し機関対応) |
日数 | 移動含め、2泊3日~ | 【メリット】 3時間~5時間(面接人数により変動) |
無し |
実技試験 | 実際に現場で確認 【メリット】 ・待機時の様子や態度も確認できる |
事前に行い撮影したものを確認、もしくは試験の様子を画面越しに確認 | 監理団体・送り出し機関が判断 |
筆記試験 | 実際に現地で確認 【メリット】 ・待機時や取り組み方も確認できる |
事前に行い、面接時に点数を確認する | |
面接 | 現地で対面して実施 【メリット】 ・面接時の反応の機微が伝わりやすい【メリット】 ・待機中や他の人の発言中の様子も確認できる |
画面越しで確認【メリット】 ・企業の参加人数に制限がない |
|
家族面談 | 合格者の家族と現地で面談 【メリット】 ・家族に安心してもらうことで本人の実習への意欲も向上 |
(基本的に実施なし) | (実施なし) |
01-01 やはりおすすめは現地面接
渡航費用、手間や時間などのデメリットを補って余りあるメリットが現地面接にはあります。
実習生が生まれ育った環境に足を入れることで、どのような国、教育、宗教に囲まれて育ったのかを体感でき、考え方や人間性への理解がより深まります。
また、実習生の家族と会いどのような企業で実習をおこなうのかを知ってもらうことで、家族の信頼度も増し、実習生に対する家族からのバックアップも得ることができます。
※代理面接は、企業さまの大事な人材を監理団体や送出し機関に任せてしまうことになり、どんな人材かわからないまま配属を迎えることが多いため、エヌ・ビー・シー協同組合では推奨していません。
02 今の主流はWeb面接
そうはいっても2021年12月現在、現地で面接をおこなうのは簡単なことではありません。
この数年でわたしたちの生活が変わったように、技能実習生の面接の主流も現在はWeb面接になっており、おそらく当面はこの状態が続くことでしょう。
現地面接の代替手段としてのWeb面接・・・いやいやそんなことはありません!
Web面接にはWeb面接のメリットがあり、そしてポイントを押さえれば十分に優秀な人材を選ぶことができます。
03 Web面接で優秀な人材を選ぶポイント ~国籍について
現地に赴かない以上、国民性、宗教観、食文化、日本との貨幣価値の差などを事前に理解しておく必要があります。
例えば、
- ・中国:素直、自己主張強い、貨幣価値は日本と同等(地方部では2倍)
- ・ベトナム:真面目、マイペース、横の繋がりが強く情報交換のコミュニティ有り
- ・ミャンマー:上下関係に忠実、自己主張少ない、日本語習得が早い
などといった情報は、面接の前に監理団体に確認しておくようにしましょう。
エヌ・ビー・シー協同組合では、Web面接の際には母国出身の正職員が通訳として同席しますので、疑問があればその場でお答えいたします。
1つの国籍で技能実習生を継続して受け入れる場合、管理しやすくなる反面、技能実習生同士の母国語での会話が多くなるため、日本語の習得に時間がかかる傾向があります。
二期生、三期生と実習生を受け入れる際には、複数の国籍の実習生を受け入れることで共通語が日本語になり、日本語の使用頻度も増え、結果早期の習得につながります。
04 Web面接で優秀な人材を選ぶポイント ~面接について
WEB面接では、画面越しのために見える範囲が限られており、実際の雰囲気や微妙なニュアンスなどが伝わりづらいことがあります。
そのため、その場の雰囲気で面接内容を考えるのではなく、事前に準備しておく必要があります。
04-01 面接のポイント ~採用基準をハッキリ決める
採用基準をなるべく細かくハッキリと決めておきましょう。
身長・体力など、画面越しでは伝わりづらいので、数字で判断できるようにしておきましょう。
例えば、
- ・身長150cm以上、真面目で健康な方、視力1.0以上
- ・語学や技術の習得に意欲があり、毎日勉強をしている
- ・**kg以上のものを運ぶ作業を問題なくできる人 など
事前に、条件に合った候補者を募集するよう、監理団体に伝えておきましょう。
04-02 面接のポイント ~実技・筆記試験
筆記試験では、計算テスト、IQテスト、クレベリンなどがおこなわれます。
WEB面接の場合はその場で試験をおこなうのではなく、事前に試験を実施し、採点結果を見ながら面接をおこなうことが多くなっています。
試験態度などのプラスαの情報がないので、ことによっては採点結果の信ぴょう性も判断がつきづらいこともあります。
そのような時には、テスト内容の振り返りを個別面談の質問に盛り込み、探ってみると良いでしょう。
エヌ・ビー・シー協同組合では、これまで何度も現地・Webでの面接に携わった職員が同席しますので、的確なアドバイスを差し上げます。
実技試験では、体力テスト(腕立て・荷物運び)、豆運び、ピンボードなどがおこなわれます。
筆記試験と違い試験を画面越しで確認することもできますが、画面越しでは体力や技術は分かりづらいものです。
実技試験は全体が見えるように画面を引き気味にし、「時間内に何回できるか」といった結果を判断するのではなく、「時間中に最後まで精一杯取り組んでいたか」といった真面目さを重視した選考基準にするとよいでしょう。
エヌ・ビー・シー協同組合では、業務に必要な体力・筋力や手先の器用さは配属後に日々の作業で身に付けられるものとし、頑張る姿勢などを見るための試験としてとらえるようご案内しています。
04-03 面接のポイント ~面接でぶつける質問
就活生が面接対策をおこなうように、実習候補生も現地の送出し機関で面接時の受け答えについて教育を受けています。
型にはまった質問だと決まった回答が返ってきますし、覚えた答えを思い出そうとしてさらに緊張してしまいます。
Yes・Noの回答で終わらない質問を用意し、自分の意見を引き出すようにしましょう。
例えば、
- ・どうして日本に来たいと思いましたか?
- ・どういう技術を日本で学びたいですか?
- ・日本にきたらどこに遊びに行きたいですか?
- ・日本にどんなイメージを持っていますか?その理由は何ですか?
- ・日本について知っていることをできるだけ多く教えてください。
くだけた質問も交え候補者が話しやすい雰囲気を作っていくと、緊張もほぐれ、より本音を話しやすくなります。
04-04 面接のポイント ~面接でぶつけるナナメの質問
面接対策として事前に準備していた回答ではなく、その場で自分で考えた答えを引き出すことで、素の考え方や本音がわかり、判断材料が増えていきます。
例えば、
- ・友達からどんな人と言われますか?
- ・自分のアピールポイントは?
- ・共同生活をしたことはありますか?生活の様子はどうでしたか
- ・今まで稼いだお金は何に使いましたか?
- ・仕事で一番辛かったこと、大変だったことはなんですか?どう対応しましたか?
- ・日本に来ることを、家族はどう思っていますか?
- ・3年間家族に会えないことについて、あなたはどう思いますか?
ここでは模範解答を求めるのではなく、その場で自分で考えているか、自分の意見を言えているかといったことに着目し、さらに人間性を読み解くようにしましょう。
御社でともに3年間すごす仲間です。
素晴らしい人材と巡り会えることをお祈りいたします。
05 まとめ
面接の中でも、今回はWeb面接にクローズアップしました。
現地面接に及ばない部分もありますが、しかし「現地面接ができない間の代替手段」といったことは決してなく、事前の準備、監理団体からの的確なアドバイスがあれば、優秀な人材を選ぶことは十分に可能であり、これからも選択肢のひとつとしてあり続けることでしょう。
わたしたちエヌ・ビー・シー協同組合は「企業さまと共存共栄」の理念のもと技能実習制度の運用をおこなっています。
面接においても、企業さまに良い人材が配属されることを監理団体の役割の一つと考え、事前の準備から選考まで取り組んでいます。
面接は「候補者本人の生活にかかる大きなできごと」であり、また企業さまにとっても「その後の業務に直接影響が出る」重要なプロジェクトです。
これから受け入れをお考えの企業さま、また次期の受け入れをご検討の企業さま、まだしばらくの間は面接の手段も制限されたままになるでしょうが、その中でも最善の結果が得られるよう、これまでのノウハウを活かし伴走してまいります。