
技能実習2号移行対象職種である「機械加工」における、技能実習生の必須作業についてご紹介していきます。
01 移行対象職種「機械加工」
移行対象職種「機械加工」は以下の4つの作業になります。
機械加工 作業一覧
▽普通旋盤作業(手動でおこなう旋盤加工)
▼フライス盤作業(手動でおこなうフライス加工)
▽数値制御旋盤作業(自動でおこなう旋盤加工)
▼マシニングセンタ作業(自動でおこなうフライス加工)
01-01 機械加工職種(普通旋盤作業)
普通旋盤作業の作業定義は以下の通りです。
普通旋盤作業
普通旋盤を使用し、材料の形状や材質に応じて、加工方法や切削条件(切削速度、切込み、送り)等の各種調整を行った後、加工物を回転させ、刃物台に 取り付けられた刃物(バイトと呼ばれる工具)に送りを与え、目的に応じた切削加工を行う作業をいう。
技能実習1号、技能実習2号の必須業務は以下の通りです。
必須業務
【技能実習1号】
(1)普通旋盤作業
(③④の切削精度は、100分の5mm以上を目途。)
①普通旋盤の取扱い作業
②切削工具及びワークの取付け作業
③円筒及び平面の切削作業
④穴あけ作業
⑤切削作業の種類、工作物の材質及び切削工具の材質に応じた送り、切り込み及び切削速度の決定作業
⑥読図作業
⑦測定作業
【技能実習2号】
(1)普通旋盤作業
(③④⑤の切削精度は、100分の5mm以上を目途。)
①普通旋盤の取扱い作業
②各種の切削工具の取付け及び加工段取り作業
③円筒、テーパ及び平面の切削作業
④穴あけ及び穴ぐり作業
⑤ねじ切り作業
⑥切削作業の種類、工作物の材質及び切削工具の材質に応じた送り、切り込み及び切削速度の決定作業
⑦切削工具の寿命判定作業
⑧読図作業
⑨測定作業
技能実習1号、2号共通の業務として以下のものがあります。
(2)安全衛生業務
①雇入れ時等の安全衛生教育
②作業開始前の安全装置等の点検作業
③機械加工職種に必要な整理整頓作業
④機械加工用機械及び周囲の安全確認作業
⑤保護具の着用と服装の安全点検作業
⑥安全装置の使用等による作業
⑦労働衛生上の有害性を防止するための作業
⑧異常時の応急措置を修得するための作業
01-02 機械加工職種(フライス盤作業)
フライス盤作業の定義は以下の通りです。
フライス盤作業
フライス盤を使用し、材料の形状や材質に応じて、加工方法や切削条件(切削速度、切込み、送り)等の各種調整を行った後、工具(回転刃)を回転させ、万力に取り付けられた加工物に送りを与え、目的に応じた切削加工を行う作業をいう。
フライス盤作業の必須業務は以下の通りです。
必須業務
【技能実習1号】
(1)フライス盤作業(数値制御式のものを含む。)
(②~③の切削精度は、100分の5mm以上を目途。)
①切削工具及びワークの取付け作業
②六面体加工作業
③平面の切削作業
④切削作業の種類、工作物の材質及び切削工具の材質に応じた切削条件の決定作業
⑤読図作業
⑥測定作業
【技能実習2号
(1)フライス盤作業(数値制御式のものを含む。)
(②~③の切削精度は、100分の5mm以上を目途。)
①各種の切削工具の取付け及び加工段取り作業
②六面体加工作業
③平面及び溝の切削作業
④切削作業の種類、工作物の材質及び切削工具の材質に応じた切削条件の決定作業
⑤読図作業
⑥測定作業
技能実習1号、2号共通の業務として以下のものがあります。
(2)安全業務
①雇入れ時等の安全衛生教育
②作業開始前の安全装置等の点検作業
③機械加工工場における整理・整頓・清掃・清潔・躾(習慣)の遵守
④フライス盤作業で使用する機械及び周囲の安全確認作業
⑤保護具の着用と服装の安全点検作業
⑥安全装置の使用等による安全作業
⑦労働衛生上の有害生を防止するための作業
⑧異常時の応急措置を修得するための作業
01-03 機械加工職種(数値制御旋盤作業)
数値制御旋盤作業の定義は以下の通りです。
数値制御旋盤作業
数値制御旋盤を使用し、材料の形状や材質に応じて、加工方法や切削条件(切削速度、切込み、送り)等のプログラムの編集・入力した後、自動運転により加工物を回転させ、刃物台に取り付けられた刃物に送りを与え、目的に応じた切削加工を行う作業をいう。
数値制御旋盤作業の必須業務は以下の通りです。
必須業務
【技能実習1号】
(1)数値制御旋盤作業
(③④の切削精度は100分の5mm以上を目途。)
①数値制御旋盤の取扱い作業
②各種の切削工具の取付け及び取外し作業
③直線切削作業
④穴あけ作業
⑤切削作業の種類、工作物の材質及び切削工具の材質に応じた切削速度、切込みおよび送りの決定作業
⑥プログラム入力及び編集作業
⑦測定作業
【技能実習2号】
(③④の切削精度は100分の5mm以上を目途。)
①数値制御旋盤の取扱い作業
②各種の切削工具の取付け及び加工段取り作業
③直線切削、円弧切削、ねじ切り作業
④穴あけ及び穴ぐり作業
⑤作業中の簡単な支障の調整作業(必要に応じて行う)
⑥切削作業の種類、工作物の材質及び切削工具の材質に応じた切削速度、切込みおよび送りの修正および決定作業
⑦切削工具の寿命判定作業
⑧読図作業
⑨プログラミング作業
⑩測定作業
技能実習1号、2号共通の業務として以下のものがあります。
(2)安全に衛生業務
①雇入れ時等の安全衛生教育
②作業開始前の安全衛生装置等の点検作業
③機械加工職種に必要な整理整頓作業
④機械加工用機械及び周囲の安全点検作業
⑤保護具の着用と服装の安全点検作業
⑥安全装置の使用等による作業
⑦労働衛生上の有害性を防止するための作業
⑧異常時の応急措置を修得するための作業
01-04 機械加工職種(マシニングセンタ作業)
マシニングセンタ作業の定義は以下の通りです。
マシニングセンタ作業
マシニングセンタを使用し、材料の形状や材質に応じて、加工方法や切削条件(切削速度、切込み、送り)等の各種調整を行った後、数値化した加工データのプログラム作成して、主軸に取り付けられた切削工具を回転させて、目的に応じた切削加工を行う作業をいう。
マシニングセンタ作業の必須作業は以下の通りです。
必須業務
【技能実習1号】
(1)マシニングセンタ作業
(③の切削精度は、100分の5mm以上を目途。)
①マシニングセンタの取扱い作業
②各種切削工具及びワークの取付作業
③フライス加工作業
④切削作業の種類、工作物の材質及び切削工具の材質に応じた切削条件の修正作業
⑤プログラム入力・編集作業
⑥測定作業
【技能実習2号】
(1)マシニングセンタ作業
(④⑤の切削精度は、100分の5mm以上を目途。)
①マシニングセンタの取扱い作業
②ツールプリセット作業
④穴あけ、中ぐり、タップ立て等作業
⑤各種フライス加工作業
⑥切削作業の種類、工作物の材質及び切削工具の材質に応じた切削条件の決定作業
⑦切削工具の寿命判定作業
⑧読図作業
⑨プログラム作業
⑩測定作業
技能実習1号、2号共通の業務として以下のものがあります。
(2)安全衛生業務
①雇入れ時等の安全衛生教育
②作業開始前の安全装置等の点検作業
③機械加工職種に必要な整理整頓作業
④機械加工用機械及び周囲の安全確認作業
⑤保護具の着用と服装の安全点検作業
⑥安全装置の使用等による作業
⑦労働衛生上の有害性を防止するための作業
⑧異常時の応急措置を修得するための作業
02 まとめ~受け入れ職種で迷った時は
技能実習1号と2号のそれぞれの必須作業をまとめてみましたが、当然のことながら、技能実習生としての経験が増えていくほど求められる業務も高度になっていきますね。
必須作業は、技能実習における作業全体の50%以上を占める必要があります。
技能実習生を受け入れる際には、御社の作業がどれに該当するか、作業定義をよく読んで決める必要があります。
どの職種に該当するかわからない、どの職種で受け入れるのが最適なのか判断がつかない、またその他疑問などありましたら、お気軽にお問合せください。