【技能実習生】鍛造【移行対象職種】

2022年2月21日 2021年10月20日

今回は、技能実習2号移行対象職種「鍛造」を、「鋳造」と比較しながら深堀りしていきます。

01 鍛造とは

鍛造は最も古い金属加工の技術とされ、世界では紀元前4000年の昔から、日本においては約1700年前の弥生時代から始まったといわれています。

大陸からの渡来人により日本に伝えられ、農耕具や狩猟具、武具から甲冑まで作られるようになりました。

中でも、平安時代末期に完成したといわれる日本刀の製造法は、世界に誇る日本の技術です。

文字通り、金属を叩いて変形させる工法で、叩くことで内部の隙間がなくなり、強度が高くなるという特性があります。

強度が高い反面、製造に時間がかかること等により大量生産には向きませんでしたが、鍛造機械の導入や金型を用いることで、製品や工法により大量生産も可能になっていきました。

01-01 鍛造の製品例

鍛造の製品例として、以下のようなものがあげられます。

鍛造の製品例

【日用品】

包丁、ハサミ、炊飯器のカマ、爪切り、指輪、など

【工具類】

スパナ、ペンチ、カンナの歯、ノコギリ、ノミ、など

【自動車関連】

タイヤホイール(鍛造ホイール)、クランク軸、ギア、ベアリングレース、など

【その他】

ボルト、ペグ、歯車、航空機部品、など

強度の高い鍛造品の特性を活かした、いかにも硬そうな製品が並んでいますね。

意外なのは指輪ですが、価格とデザイン性では鋳造の指輪に分があるものの、強度と耐久性の高さから結婚指輪は鍛造の製品が選ばれることが多いようです。

02 鍛造と鋳造の違い

その歴史の古さから、何かと比較されがちな鍛造と鋳造ですが、何がどう違うのでしょうか。

02-01 鍛造と鋳造の違い~これが鍛造だ!

鍛造は金属を叩いて加工する製造法で、1000℃以上に熱した金属を叩いて成型します。

金属を叩くことで内部の隙間がなくなるので、強度が高く耐久性の高い製品となります。

強度が高く耐久性も高い一方、成型に時間がかかったりコストが高くなることがあります。

これが鍛造だ!

【鍛造のメリット】

(一般的に)強度と耐久性の高い製品製造に適している。

【鍛造のデメリット】

(一般的に)成型に時間とコストがかかる。

02-02 鍛造と鋳造の違い~これが鋳造だ!

鋳造は、ドロドロに溶かした金属を型に流し込み、冷やして固めて成型します。

型枠を用いるため、細かい製品や大型の製品の製造、また大量生産が可能です。

強度はあまり高くなく、強度を高めようとすると重量があがってしまうことがあります。

これが鋳造だ!

【鋳造のメリット】

(一般的に)大量生産が可能、細かい製品、大型製品の製造に適している。

【鋳造のデメリット】

(一般的に)強度が低いため、耐久性が低い傾向がある。

鍛造、鋳造ともにメリット・デメリットがありますが、ただ、上に挙げた例はあくまで一般論であり、使用する機械や製品によってはあてはまらない場合もあります。

03 移行対象職種 鍛造職種

外国人技能実習生の受け入れが可能な鍛造の作業は、以下の2種類の作業となります。

03-01 鍛造職種(ハンマ型鍛造作業)

ハンマ型鍛造作業とは、ハンマ型製造機を用いて成型する作業です。

「ラム」と呼ばれる機械部分を振り落として、金属を叩いて圧力を加えます。

大きな部品を作るために使われることが多い工法です。

移行対象職種:鍛造職種(ハンマ型鍛造作業)

03-02 鍛造職種(プレス型鍛造作業)

プレス型鍛造作業は、プレス型鍛造機をつかって成型する作業です。

「ラム」と呼ばれる機械部分をスライドさせて、圧力をかけます。

ハンマ型に比べて細かい作業ができるため、小さな製品に使われることが多い工法です。

移行対象職種:鍛造職種(プレス型鍛造作業)

04 まとめ

いかたでしたでしょうか。

遥か何千年も前から続いている製法、工法を、はるばるやってきた技能実習生が日本で学んでいるなんて、なんだかロマンを感じますね。

何千年には敵いませんが、エヌ・ビー・シー協同組合が技能実習制度にたずさわった約20年の実績の中で、製造業の組合員様が多くいらっしゃいます。

組合員さまが長く継続して技能実習制度を活用されているのは、充実したサポート体制と長年にわたる実績への評価なのだと自負しております。

今後も、企業さま、組合員のみなさまにご安心して技能実習生を受け入れていただけるよう、日本で学ぶ技能実習生たちの日常が実りあるものになるよう、これからも真摯に、誠実にサポートしてまいります。

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