今後の技能実習の在り方に関する中間報告が発表されました

7回に渡り開催された「技能実習・特定技能制度の在り方に関する有識者会議」の中間報告書が発表されましたので、報告書の内容と新制度のポイントについてお知らせいたします。

01 新しい制度の方向性

今回の報告書では序文が追加され、新しい制度の方向性が示されました。
中間報告書の『第4 検討の方向性 1 はじめに』 には以下のように記載されています。

”我が国の人手不足が深刻化する中、外国人が日本社会において暮らし、経済社会の担い手となっている現状にある。
これを踏まえ、外国人との共生社会の実現が社会のあるべき姿であることを念頭に置き、その人権に配慮しつつ、我が国の産業及び経済並びに地域社会を共に支える一員として外国人の適正な受入れを図ることにより、日本で働く外国人が能力を最大限に発揮できる多様性に富んだ活力ある社会を実現するとともに、我が国の深刻な人手不足の緩和にも寄与するものとする必要がある。
このような観点から、技能実習制度と特定技能制度が直面する様々な課題を解決した上で、国際的にも理解が得られるものとなるよう、各論点について検討の方向性を示すものである。”

「技能実習制度を廃止し、現状に即した制度を新たに制定する」という「たたき台」で出された考えが一歩進み、「技能実習制度と特定技能制度が直面する様々な課題を解決した上で、国際的にも理解が得られる制度を目指す」方向性が示されました

02 これからの制度のポイント

新制度はどのようなものになるのか、中間報告書からポイントをいくつか抜粋してお届けします。

02-01 特定技能との一貫性

現在、技能実習と特定技能の職種が完全に一致しておらず、 外国人労働者が日本で長期的に働くことができないという状況にあります。
技能実習制度の職種は技能検定とリンクしている一方、特定技能の職種は人手不足解消を目的としていることがその原因となっています。

新しい制度では、「人材育成」の側面を重視しつつ、特定技能への移行をスムーズに行えるような仕組み(例えば現行の技能実習の職種を全て特定技能に追加するなど)になる見込みです

02-02 転籍制限の緩和

現行の技能実習制度では転籍にはかなりの制限がありますが、新しい制度ではこれらの制約を緩和する方向で議論が進められています。
しかし人材育成の観点からある程度の在籍期間も必要と考えられており、「最初の1年~3年は同じ企業で働く」という意見や、「同一職種の転籍は原則として1回まで」という意見も存在しています。

報告書では「自由な労働や転職が完全に認められ、成功した例は世界的に見ても存在しない」と述べられており、OECD(経済協力開発機構)やILO(国際労働機関)のヒアリングにおいても転籍制限が即座に人権侵害とされるわけではないとされています。

今よりも転籍の制限は緩和されつつも、一定の人材育成のための期間を設けることが提言されています。

02-03 監理団体・登録支援期間の厳格化

監理団体や登録支援機関は制度において重要な機能を担うため、認可をさらに厳格にする方向性が示されています。

全国に3,500以上存在する監理団体の中には、規模のとても小さな団体や、1つの法人のみを監理している団体もあります。
こうした団体は、適切な監理活動を行うことが難しいと懸念されています。

報告書では「規模の大きな監理団体はスケールメリットがあり、多くの企業を取り扱っていることから、問題が少なく転籍支援も可能なのではないか」と述べられています。

新しい制度では、規模の大きな監理団体による外国人材の支援体制を強化していくことが示唆されています。
登録支援機関も同様に、該当外国人に対し適切な支援ができない団体は、厳格に処分や排除を行っていく方針です。

02-04 一定の日本語能力を求める

新しい制度においては外国人材に対して一定の日本語能力を要求するべき、との意見が出されています。

現行の技能実習制度では入国時の日本語能力は問われていませんが、実際に日本で生活する上で日本語能力は不可欠です。
報告書では「入国時の試験や入国後講習などにおける日本語能力に関する要件化も含めて、就労開始前の日本語能力の担保方策について検討すべき」と述べられています。
また、日本語能力の要件化については、外国人材が来日前や来日後に不当に高い費用を負担することの無いよう配慮が必要との意見も出されています。

03 制度変更の今後について

今後は、中間報告で示された方向性に沿って議論を進め、2023年秋を目処に最終報告書を取りまとめることになっています。
その後国会での承認などを経て、2025年度から新制度がスタートするのではないかと予想されています。

技能実習制度から新たな制度への移行は緩やかに行われると考えられており、最終報告が発表されるまで技能実習生の受入れを控えるといった必要はありません。
また、現状の技能実習制度を遵守して運用していれば、将来的に違反となったり技能実習生が途中帰国になるといったことはないでしょう。

新しい制度も、現在の技能実習制度の意義を残しつつ、さらに良い制度となることを願います。
本件に関してまた新たな発表がありましたらお知らせいたします。

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