2023年4月10日、第5回の「技能実習・特定技能制度の在り方に関する有識者会議」が開催され、「技能実習制度を廃止し、人材確保と人材育成を目的とする新たな制度の創設を検討すべき」との方向性が示されました。
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既にニュース等で報じられており、ご存じの方も多いかと思いますが、監理団体の立場から改めてこの件について解説いたします。
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01 技能実習制度の今後のあり方
まず、「技能実習制度廃止」と大きく報道されていますが、外国人材を受け入れる制度がなくなるわけではありません。
もし「技能実習」という制度がなくなった場合も、代わりとなる新たな制度が誕生する見込みです。
新たな制度は、技能の育成・評価を行う側面を残しつつ、現状の技能実習制度が抱える矛盾を解消するものとなりそうです。
02 新たな制度の変更点
現行の技能実習制度と、有識者会議で検討されている「新しい制度での変更点」を順に見ていきましょう。
02-01 制度の目的
技能実習制度は「技術の移転」を目的としていますが、一方、人材確保も目的となっていることが多いと指摘されています。
現実との乖離をなくすため、実態に即した「技術移転と人材確保」を両立させる制度となる方針です。
02-02 特定技能制度との関連
現状は、技能実習制度で認められている職種と特定技能制度での就労可能職種がイコールではないため、外国人材が中長期的なキャリアパスを描くことが難しい状況となっています。
新たな制度では、職種を「特定技能の分野」に揃えることで、新たな制度から特定技能への移行をスムーズに行い、中長期的に活躍できる仕組みを整える方針です。
02-03 転籍
人材育成のためには一定期間の在籍が必要である一方、転籍の制限が労働環境の悪化を招くケースもあります。
新たな制度では、転籍の制限をある程度残しつつ、従来よりも緩和する方針です。
02-04 管理監督・支援体制
技能実習機構や監理団体、登録支援機関は存続したうえで、要件を厳格化して悪質な団体を排除する方向です。
また、現地での募集は、悪質な送出機関を排除するよう、二国間の取り決めをより強化していく方針です。
02-05 日本語能力
技能実習制度は本人の日本語能力等の規定はありませんが、新しい制度では一定の基準を求めるほか、来日後も段階的に日本語能力が向上する取り組みを設ける方針です。
03 技能実習生受け入れへの影響
この中間報告では制度を変更する方針が出されていますが、今後の技能実習の受け入れに影響はあるのでしょうか。
まず、技能実習制度から新たな制度への移行は緩やかに行われると考えられていますので、結論が出るまで技能実習生の受入れを控えるといった必要はありません。
また、新しい制度は、現在の技能実習制度の主旨に沿ったうえで、現状に即した内容に改善される方向で議論が進められていますので、技能実習制度の主旨や理念をしっかり理解して運用していれば、将来的に違反となったり技能実習生が途中帰国になるといったことはないでしょう。
04 まとめ
技能実習制度は、国際貢献・人材育成の主旨に則って運用されてはいますが、人手不足を補うための手段とされていることもまた事実です。
有識者会議では、技能実習制度の良い面を活かしつつ、矛盾が解消された新たな制度を創設するため、 建設的な議論がなされています。
わたしたち監理団体は、有識者会議の動向に注目しつつも、これまで通り技能実習制度の主旨に則った運用をしてまいります。
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本件に関しまして、新たな発表がありましたら皆様にお知らせいたします。