「制度廃止」のニュースの発端となった第5回の会議からわずか9日後の4月19日、第6回「技能実習・特定技能制度の在り方に関する有識者会議」が開催されました。
第5回の会議では中間報告書の「たたき台」が出されましたが、今回は中間報告書の「案」が提示され、一歩進んだ内容となっています。
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01 新しい制度の方向性
今回の報告書では序文が追加され、新しい制度の方向性が示されました。
中間報告書の『第4 検討の方向性 1はじめに』 には以下のように記載されています。
”我が国の人手不足が深刻化する中、外国人が日本社会において暮らし、経済社会の担い手となっている現状にある。これを踏まえ、外国人との共生社会の実現が社会のあるべき姿であることを念頭に置き、その人権に配慮しつつ地域社会を共に支える一員として外国人を適正に受け入れ、我が国で能力を最大限に発揮できる多様性に富んだ活力ある社会を実現する必要がある。このような観点から、技能実習制度と特定技能制度が直面する様々な課題を解決した上で、国際的にも理解が得られるものとなるよう、各論点について検討の方向性を示すものである。 ”
「技能実習制度を廃止し、現状に即した制度を新たに制定する」という「たたき台」で出された考えが一歩進み、「人材育成と人材確保を目的とする新たな制度を設立する」ことが、今回の会議で規定案とされました。
02 特定技能制度との関係性
特定技能制度との関係性についても、より具体的に言及されています。
現在、技能実習の職種は特定技能の分野と不一致であり、全ての外国人材が日本で中長期的なキャリアパスを描くことが難しい状況です。
特定技能制度は引き続き活用する方向で、新たな制度と特定技能制度の対象分野を一致させることが記載されています。
このほか、受入れ見込数の設定等の在り方、転籍の在り方(技能実習)、管理監督や支援体制の在り方、外国人の日本語能力向上に向けた取組についても議論が行われ、前回の情報からさらに追加されています。
03 制度変更の今後について
今後は、中間報告で示した方向性に沿って議論を進め、2023年秋を目処に最終報告書を取りまとめることになっています。
技能実習制度から新たな制度への移行は緩やかに行われると考えられており、制度が変更されるまで技能実習生の受入れを控えるといった必要はありません。
名前や制度は変更される見込みであるものの、現在の技能実習制度の主旨に沿ったうえで、現状に即した内容に改善される方向で議論が進められていますので、現状の技能実習制度を遵守して運用していれば、将来的に違反となったり技能実習生が途中帰国になるといったことはないでしょう。
本件に関してまた新たな発表がありましたらお知らせいたします。