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【失踪0へ】技能実習制度 運用要領

先日、ついに水際対策が緩和されると発表がありました。

これにより、新規入国を待っていた外国人がようやく日本に渡航できるようになります。

一日の入国者数は5,000人まで、そして渡航はビジネス目的のみ、という制限はあるものの、非常に明るいニュースですね。

それに対して、驚くべきニュースもありました。

技能実習生が実習先で日常的に暴力を振るわれていたというものでした。

この実習生は、勇気をもって公表したことで、新しい実習先へ移籍するなどの周囲からのサポートが得られたと思いますが、もしかしたらこのニュースは氷山の一角で、実習先で暴力を受けている実習生はまだまだいるのかもしれません。

そして今回のようなサポートを受けられなかった実習生たちは、「失踪」という選択肢を選ばざるを得ない状況に追い込まれているのかもしれません。

01 実習生が失踪する原因

出入国在留管理庁が公表している、実習生が失踪する主な原因をみてみましょう。

【技能実習生が失踪する主な原因】

▼主に実習先での問題

  • ・賃金不払いなどによる実習実施者の不適正な扱い
  • ・実習先での言葉も含めた暴力行為

▼主に本国での問題

  • ・技能実習生側が入国前に支払った費用回収など経済的な事情

わたしたち監理団体は両方の問題に関わる立場ですので、あらためて制度への厳格な取り組みを心がけてまいります。

02 失踪人数

引き続き、出入国在留管理庁が公表している失踪した実習生の人数をみてみましょう。

技能実習生数 失踪者数 失踪率
平成28年 298,786人 5,058人 1.7%
平成29年 356,276人 7,089人 2.0%
平成30年 424,394人 9,052人 2.1%
令和元年 517,232人 8,796人 1.7%
令和2年 494,798人 5,885人 1.2%

※技能実習生数は、前年末の在留技能実習生と当年新規入国の技能実習生の合計

夢と希望を持ち日本に入国してきた実習生ですが、暴力や賃金不払いなどの不当な労働環境に身を落とした結果、今の生活を捨たい・暴力から逃れたいと失踪を選択するケースが毎年2%前後あるということです。

もちろん、上に挙げた3つだけが失踪の原因とは限りませんが、大きな要因であることは間違いありません。

03 実習生の保護のために

2017年11月に新しい制度となり、法務省や出入国管理庁・技能実習機構は、制度の正しい運用や実習生保護の観点から、実習実施者や監理団体への取り締まりを厳格化させました。

実習実施者は、

  • ・実習責任者・実習指導員・生活指導員を専任し、技能実習に関与する職員を管理監督すること
  • ・実習生に対して暴行・脅迫・自由の制限、その他人権を著しく侵害する行為をしないこと
  • ・こういった違反行為がおこなわれていないか定期的に確認すること

などが義務として定められ、違反があれば認定の取り消しや、数年間の実習生受入停止と処されることとなりました。

わたしたち監理団体も同様に監理団体としての責務が明確に定められ、監督を怠れば認定取り消しとなるケースもでてきました。

つい先日にも厚生労働省より行政処分の発表がありました。

【厚生労働省:技能実習法に基づく行政処分等を行いました】

あらためて【技能実習】とは、技術技能を習得させ当該発展途上地域などの経済発展を担う【人づくり】の制度です。

そのことを十分ご理解した上で、技能実習生の受入、そして技能実習制度に沿った運用をよろしくお願いいたします。

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