外国人技能実習生を受け入れている実習実施者は、労働安全衛生法第66条に基づき、雇入れ時及び一定期間ごと、医師による健康診断を技能実習生に受診させなければなりません。
技能実習関連の法律がよくわかる
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【実習実施者が知っておくべき法律の話】

- この資料でわかること
- 労働安全衛生法
- 労働基準法
- 技能実習制度の厳罰化
- 法令違反の事例
01 健康診断は3種類
技能実習生が受診する健康診断には以下の3種類があります。
・雇入れ時健康診断…技能実習生配属時に受診。
・定期健康診断…1年以内ごとに1回、定期的に受診。深夜労働に従事するものは半年以内に1回受診。
・特殊健康診断…有害業務(有機溶剤業務、特定化学物質製造及び取扱業務、粉塵作業)
01-01 雇入れ時健康診断
技能実習生は、配属される前後3ヶ月以内に健康診断を受診する必要があります。
母国を出国する前に健康診断を受診しており、それを証明する書類があったとしても、必ず日本国内の医療機関での受診が必要となります。
配属後であれば企業さまが手配することになりますが、配属前にエヌ・ビー・シー協同組合が委託している研修センターでも健康診断の実施が可能です。
配属後の健康診断受診は、時間の調整や確保が大変との声もよく聞きますので、研修センターでの配属前実施をお勧めします。
01-02 定期健康診断
健康診断は年に1度の頻度で定期的に実施する必要があります。
毎年全社員を対象に健康診断を実施している場合は、同時に技能実習生も受診するとスムーズになります。
技能実習生は雇入れ時に健康診断を受診した後、1年以内に必ず健康診断を受診しなければなりません。
不定期に実施されているようであれば、雇入れ時の健康診断を実施した翌年の同じ時期に技能実習生の健康診断を実施されることをお勧めします。
時間の長短を問わず、深夜労働(22時~5時)に従事する場合は年2回の健康診断を実施する必要があります。
01-03 特殊健康診断
特殊健康診断とは、労働安全衛生法第66条第2、3項で定められた健康診断で、じん肺法第3条に定められていた健康診断をいいます。
労働衛生対策上特に有害といわれている業務に従事する労働者等を対象として実施する健康診断です。
02 健康診断で受診しなければならない11の必須項目
健康診断では最低限実施しなければならない検査項目が11項目あります。
1. 既往歴及び業務歴の調査
2. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
3. 身長、体重、腹囲、視力、聴力の検査
4. 胸部エックス線検査
5. 血圧の測定
6. 貧血検査(血色素量及び赤血球数)
7. 肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)
8. 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
9. 血糖検査
10. 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
11. 心電図検査
上記の項目で一つでも漏れがある場合は、再度健康診断を実施することとなりますので、くれぐれも検査項目にご注意下さい。
03 最後に
健康診断の結果は本人に通知すると同時に、実施結果に異常の所見が認められた場合は、健康を保持するための必要な措置について医師や歯科医師の意見を聞かなければなりません。
実習実施者のみなさまには、技能実習生が3年間健康的な実習生活を送れるよう、必ず定期的な健康診断の実施をお願いします。