この度、経済産業省製造産業局より「製造業分野における特定技能外国人の受入れ事業を実施する一般社団法人(民間団体)設立に関する発表」がありました。
この発表には、今後の制度運用に関わる重要な変更点が含まれていますので、既に特定技能外国人の受入れを行っている企業様はご確認ください。
民間団体設立の背景
特定技能外国人受入れ見込数の大幅な増加に対応し、より「適正かつ円滑」な制度運用を実現するため、受入れ産業自身が主体となって運営に関わる新しい民間団体「一般社団法人 工業製品製造技能人材機構」が設立されることとなりました。
この新しい団体は、これまでの協議・連絡会の機能を継承しつつ、試験対策講座や申請セミナーといった、受入れ事業所や外国人材にとって有益な新しい支援サービスの提供を計画しています。
一方で、特定技能外国人を受け入れる事業所は、
- ・この団体への入会が必須となり、会費の支払いが必要となる
- ・生産性向上や国内人材確保への取り組みが入会要件に含まれる
など、新たな義務や要件も生じることになります。
この変更は、特定技能制度がより実効性を持ち、製造業の現場で働く外国人材が安心して活躍できる環境を整備すると同時に、受入れ事業所に対しても、外国人材の活用と並行して自社の経営基盤強化や国内人材への投資も求めていくという、制度全体の方向性を反映したものといえるでしょう。
設立される民間団体の概要
経済産業省発表の、設立予定の民間団体の具体的な概要は以下の通りです。
【法人名】
一般社団法人 工業製品製造技能人材機構
【目的】
特定技能外国人の受け入れに関わる製造事業者団体等が協力し、製造業分野における特定技能外国人の適正かつ円滑な受け入れの実現に向けた事業を行うことにあります。これにより、製造業分野での人材確保を図り、工業製品製造業の健全な発展に資することを目指しています。
【事業内容】
これまでの協議・連絡会や経済産業省からの委託事業として実施されてきた業務を引き継ぎます。これには、特定技能評価試験の作成・実施や、受け入れ事業所からの相談窓口の運営などが含まれます。
さらに、既存の事業に加えて、
・特定技能評価試験対策講座の実施、試験対策資料の拡充
・在留申請、報告書の作成セミナーの開催
これらの新しい支援・サービスが実施される予定です。
新しい支援・サービスの内容は、今後、会員から寄せられる意見・要望や団体の収支状況を考慮して、拡大・改善されていく方針が示されています。
【会員区分】
新しい民間団体には、主に二つの会員区分が設けられます。
正会員
製造業分野において特定技能制度を活用する産業の主な業界団体
賛助会員
製造業分野において特定技能外国人を受け入れる個別の事業所がこれにあたります。
来年度(2026年度)以降、特定技能外国人を受け入れる事業所は、この民間団体への入会が必要となります。
【入会要件】
会員となるためには、それぞれの区分で定められた要件を満たす必要があります。
正会員
団体の目的に賛同し、その運営に貢献することが求められます。
賛助会員
これまでの協議・連絡会の加入要件に加え、生産性向上や国内人材確保のための取組(例えば、賃上げの取組)等を行うこと」が求められます。
【予定会費(年会費)】
会員資格の維持には会費の支払いが必要となります。年会費は以下の通りに予定されています。
正会員
100,000円
賛助会員
以下の表の通り
正会員団体に所属する場合 | 正会員団体に未所属の場合 | |
中小企業 | 60,000円/年 | 63,000円/年 |
大企業 | 80,000円/年 | 83,000円/年 |
今後のスケジュール
民間団体設立に関する今後の主なスケジュールは以下の表の通りです。

まとめ
製造業分野で特定技能外国人の受け入れを検討・実施されている事業所の皆様は、最新の情報にご留意いただき、詳細につきましては、経済産業省または加盟されている業界団体様にご確認いただけますようお願い申し上げます。
詳細は下記のリンクをご参照ください。