介護技能実習生の受入れ
介護職種の業務の定義
「介護」実習で認められる業務内容
厚生労働省より発表されている技能実習計画審査基準における介護職種の業務の定義は、【身体上または精神上の障害があることにより、日常生活を営むのに支障がある人に対し、入浴や排泄、食事などの身体上の介助やこれに関連する業務をいう。】とあります。
技能実習においては、下記必須業務を全業務時間の2分の1以上実施することが必要となります。
一定のコミュニケーション能力の習得、人間の尊厳や介護実践の考え方、社会のしくみ・こころとからだのしくみ等の理解に裏付けられた以下の業務が移転対象となります。
・必須業務:身体介護(入浴、食事、排泄等の介助等)
・関連業務:身体介護以外の支援(掃除、洗濯、調理等)、間接業務(記録、申し送り等)
・周辺業務:その他(お知らせなどの掲示物の管理等)
技能実習計画審査基準
必須業務 |
第1号技能実習 |
第2号技能実習 |
第3号技能実習 |
---|---|---|---|
身じたくの介助 |
準備から記録・報告までの一連の行為を含む ①身じたくの介護 (1)の3.については、状況に応じて実施 1)整容の介助 1.整容(洗面、整髪等) 2. 顔の清拭 3. 口腔ケア 2) 衣服着脱の介助 1. 衣服の着脱の介助(座位・臥位) |
準備から記録・報告までの一連の行為を含む ①身じたくの介護 (1)の3.については、状況に応じて実施 1)整容の介助 1.整容(洗面、整髪等) 2. 顔の清拭 3. 口腔ケア 2) 衣服着脱の介助 1. 衣服の着脱の介助(座位・臥位) |
準備から記録・報告までの一連の行為を含む ①身じたくの介護 (1)の3.については、状況に応じて実施 1)整容の介助 1.整容(洗面、整髪等) 2. 顔の清拭 3. 口腔ケア 2) 衣服着脱の介助 1. 衣服の着脱の介助(座位・臥位) |
移動の介護 |
② 移動の介護 1) 体位変換 1. 体位変換 2. 起居の介助(起き上がり・立位) 2) 移動の介助(2.は、状況に応じて実施) 1. 歩行の介助 2. 車いす等への移乗の介助 3. 車いす等の移動の介助 |
② 移動の介護 1) 体位変換 1. 体位変換 2. 起居の介助(起き上がり・立位) 2) 移動の介助(2.は、状況に応じて実施) 1. 歩行の介助 2. 車いす等への移乗の介助 3. 車いす等の移動の介助 |
② 移動の介護 1) 体位変換 1. 体位変換 2. 起居の介助(起き上がり・立位) 2) 移動の介助(2.は、状況に応じて実施) 1. 歩行の介助 2. 車いす等への移乗の介助 3. 車いす等の移動の介助 |
食事の介護 |
③食事の介護 1)食事の介助 |
③食事の介護 1)食事の介助 |
③食事の介護 1)食事の介助 |
入浴 清潔保持の介護 |
④ 入浴・清潔保持の介護 3)については、状況に応じて実施 1) 部分浴の介助 1. 手浴の介助 2. 足浴の介助 2) 入浴の介助 3) 身体清拭 |
④ 入浴・清潔保持の介護 3)については、状況に応じて実施 1) 部分浴の介助 1. 手浴の介助 2. 足浴の介助 2) 入浴の介助 3) 身体清拭 |
④ 入浴・清潔保持の介護 3)については、状況に応じて実施 1) 部分浴の介助 1. 手浴の介助 2. 足浴の介助 2) 入浴の介助 3) 身体清拭 |
排泄の介護 |
⑤ 排泄の介護 3)については、状況に応じて実施 1) トイレ・ポータブルトイレでの排泄介助 2) おむつ交換 3) 尿器・便器を用いた介助 |
⑤ 排泄の介護 3)については、状況に応じて実施 1) トイレ・ポータブルトイレでの排泄介助 2) おむつ交換 3) 尿器・便器を用いた介助 |
⑤ 排泄の介護 3)については、状況に応じて実施 1) トイレ・ポータブルトイレでの排泄介助 2) おむつ交換 3) 尿器・便器を用いた介助 |
利用者特性に 応じた対応 認知症、障害等 |
- |
- |
⑥ 利用者特性に応じた対応(認知症、障害等) 1) 利用者特性に応じた対応 |
安全衛生業務 ※ |
① 雇入れ時等の安全衛生教育 ② 介護職種における疾病・腰痛予防 ③ 福祉用具の使用方法及び点検業務 ④ 介護職種における事故防止のための教育 ⑤ 緊急時・事故発見時の対応 |
① 雇入れ時等の安全衛生教育 ② 介護職種における疾病・腰痛予防 ③ 福祉用具の使用方法及び点検業務 ④ 介護職種における事故防止のための教育 ⑤ 緊急時・事故発見時の対応 |
① 雇入れ時等の安全衛生教育 ② 介護職種における疾病・腰痛予防 ③ 福祉用具の使用方法及び点検業務 ④ 介護職種における事故防止のための教育 ⑤ 緊急時・事故発見時の対応 |
(1) 関連業務
① 掃除、洗濯、調理業務
1. 利用者の居室やトイレ、事業所内の環境整備
2. 利用者の衣類等の洗濯
3. 利用者の食事にかかる配下膳等
4. 調理業務(ユニット等で利用者と共に行われるもの)
5. 利用者の居室のベッドメイキングやシーツ交換
② 機能訓練の補助やレクリエーション業務
1. 機能訓練の補助や見守り
2. レクリエーションの実施や見守り
③ 記録・申し送り
1. 食事や排泄等チェックリスト等による記録・報告
2. 指示を受けた内容に対する報告
3. 日誌やケアプラン等の記録及び確認
4. 申し送りによる情報共有
(2) 周辺業務
1. お知らせなどの掲示物の管理
2. 車いすや歩行器等福祉用具の点検・管理
3. 物品の補充や管理
(3) 安全衛生業務(関連業務、周辺業務を行う場合は必ず実施する業務)
※上記安全衛生業務に同じ
【機械、設備等】 |
必要に応じて使用すること |
---|---|
入 浴 |
介護用浴槽、入浴用リフト、バスボード、浴槽マット、シャワーチェア、シャワーキャリー、浴槽内椅子 |
移 動 |
スイングアーム介助バー、移動用リフト |
その他 |
特殊寝台、スクリーンやカーテン等 |
【用 具】 |
必要に応じて使用すること |
---|---|
整 容 |
洗面容器、ブラシ、タオル、ガーゼ、歯ブラシ、コップ、ガーグルベースン、スポンジブラシ、舌ブラシ、デンタルフロス、綿棒、歯磨き粉、マウスウォッシュ等 |
入 浴 |
洗面容器、タオル、ガーゼ、スポンジ、石鹸、保湿クリーム、温度計等 |
食 事 |
食器一式(皿、スプーン、フォーク、ナイフ、箸、コップ等)、食事用エプロン等 |
排 泄 |
ポータブルトイレ、尿器・便器、おむつ(紙製、布製)、タオル、ガーゼ、トイレットペーパー等 |
衣服の着脱 |
衣類(上着類、下着類) |
移 動 |
スライディングボード、クッション、体位変換器、車いす(自走、電動含む)、車いす付属品、歩行器、歩行補助杖(T字杖、ロフストランド・クラッチ、多点杖、松葉杖等)等 |
利用者特性に応じた対応 |
義歯、義肢装具、補聴器、コミュニケーションボード、白杖、眼鏡等 |
その他 |
シーツ、タオルケット、毛布、枕、枕カバー等 バイタル計測器、マスク、手袋、 調理用具、掃除用具、レクリエーションにかかる道具、リハビリに関する用具等 |
1.厨房に入って調理業務のみを行う場合
2.上記の関連業務及び周辺業務のみの場合
介護実習生受入れ要件
その他これと同等以上の能力を有すると認められる者(※3)
その他これと同等以上の能力を有すると認められる者(※3)
(※1)「N4」:基本的な日本語を理解することができる (日本語能力試験:独立行政法人国際交流基金、公益財団法人日本国際教育支援協会が実施)
(※2)「N3」:日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる
(※3)日本語能力試験との対応関係が明確にされている日本語能力を評価する試験
(例)「J.TEST実用日本語検定」「日本語NAT-TEST」)における日本語能力試験N4に相当するものに合格している者
1年目 指示の下であれば、決められた手順等に従って、基本的な介護を実践できるレベル
2年目 指示の下であれば、利用者の心身の状況に応じた介護を一定程度実践できるレベル
3年目 自ら介護業務の基盤となる能力や考え方等に基づき、利用者の心身の状況に応じた介護を一定程度実践できるレベル
4年目~ 自ら介護業務の基盤となる能力や考え方等に基づき、利用者の心身の状況に応じた介護を実践できるレベル
※ただし、技能実習生の人権擁護、適切な在留管理の観点から、訪問系サービスは対象としない
その他、別表における受入れ人数の上限を超えないこと。
・受入時 : 賃金規程等の確認
・受入後 : 訪問指導時の関係者のヒアリングや賃金台帳の確認、監理団体への定期報告
実習実施者・実習内容に関する要件
技能実習制度本体の要件に加えて、以下の要件を満たす必要があります。
技能実習制度の適正化
○ 技能実習指導員のうち1名以上は、介護福祉士の資格を有する者その他これと同等以上の専門的知識及び技術を有すると認められる者(※看護師等)であること。
○ 技能実習生5名につき1名以上の技能実習指導員を選任していること。
○ 技能実習を行わせる事業所が、介護等の業務(利用者の居宅においてサービスを提供する業務を除く。)を行うものであること。《下記対象施設表参照》
○ 技能実習を行わせる事業所が、開設後3年以上経過していること。
○ 技能実習生に夜勤業務その他少人数の状況下での業務又は緊急時の対応が求められる業務を行わせる場合は、利用者の安全の確保等のために必要な措置を講ずることとしていること。
(※)具体的には、技能実習生以外の介護職員と技能実習生の複数名で業務を行うことが必要。
また、夜勤業務等を行うのは2年目以降の技能実習生に限定する等の努力義務を業界ガイドラインに規定。
○ 技能実習を行う事業所における技能実習生の数が一定数を超えないこと。
○ 入国後講習については、基本的な仕組みは技能実習法本体によるが、日本語学習(240時間。ただし、N3程度取得者は80時間とし、柔軟に設定できる。)と
介護導入講習(42時間)の受講を求めることとする。また、講師に一定の要件を設ける。
対 象 施 設
肢体不自由児施設又は重症心身障害児施設の委託を受けた指定医療機関
国立高度専門医療研究センター及び独立行政法人国立病院機構の設置する医療機関であって厚生労働大臣の指定するもの
児童発達支援・放課後等デイサービス・障害児入所施設・児童発達支援センター・保育所等訪問支援
短期入所・障害者支援施設・療養介護・生活介護・共同生活援助(グループホーム)
自立訓練・就労移行支援・就労継続支援・福祉ホーム・日中一時支援・地域活動支援センター
第1号通所事業・老人デイサービスセンター・指定通所介護(指定療養通所介護を含む)・指定地域密着型通所介護・指定介護予防通所介護
指定認知症対応型通所介護・指定介護予防認知症対応型通所介護・老人短期入所施設・指定短期入所生活介護・指定介護予防短期入所生活介護
指定認知症対応型共同生活介護・指定介護予防認知症対応型共同生活介護・介護老人保健施設・指定通所リハビリテーション
指定介護予防通所リハビリテーション・指定短期入所療養介護・指定介護予防短期入所療養介護・指定特定施設入居者生活介護
指定介護予防特定施設入居者生活介護・指定地域密着型特定施設入居者生活介護
救護施設・更生施設
地域福祉センター・隣保館デイサービス事業・独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園
ハンセン病療養所・原子爆弾被爆者養護ホーム・原子爆弾被爆者デイサービス事業・原子爆弾被爆者ショートステイ事業
労災特別介護施設
養護老人ホーム※1
軽費老人ホーム※1
ケアハウス※1
有料老人ホーム※1
指定小規模多機能型居宅介護※2
指定介護予防小規模多機能型居宅介護※2
指定複合型サービス※2
※1 特定施設入居者生活介護(外部サービス利用型特定施設入居者生活介護を除く。)、介護予防特定施設入居者生活介護(外部サービス利用型介護予防特定施設入居者生活介護を除く。)、地域密着型特定施設入居者生活介護(外部サービス利用型地域密着型特定施設入居者生活介護を除く。)を行う施設を対象とする。
※2 訪問系サービスに従事することは除く。
※3 有料老人ホームに該当する場合は、有料老人ホームとして要件を満たす施設を対象とする。
年間受入れ可能人数枠
常勤職員数 |
一般の実習実施者 (1号) |
一般の実習実施者 全体(1号2号) |
優良な実習実施者 (1号) |
優良な実習実施者 全体(1号、2号、3号) |
---|---|---|---|---|
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
2 |
1 |
2 |
2 |
2 |
3~10 |
1 |
3 |
2 |
3~10 |
11~20 |
2 |
6 |
4 |
11~20 |
21~30 |
3 |
9 |
6 |
21~30 |
31~40 |
4 |
12 |
8 |
31~40 |
41~50 |
5 |
15 |
10 |
41~50 |
51~71 |
6 |
18 |
12 |
51~71 |
72~100 |
6 |
18 |
12 |
72 |
101~119 |
10 |
30 |
20 |
101~119 |
120~200 |
10 |
30 |
20 |
120 |
201~300 |
15 |
45 |
30 |
180 |
301~ |
常勤介護職員の20分の1 |
常勤介護職員の20分の3 |
常勤介護職員の10分の1 |
常勤介護職員の5分の3 |
○介護技能実習生の日本語能力
入国時に日本語能力試験(JLPT)N4または政府がそれと類すると認める資格を取得している必要があります。
実習1年経過後の2号移行試験時に、N3またはとありそれと類すると認める資格を取得していなければ実習は継続できません。
○介護報酬の点数
介護技能実習生は配属後7ヶ月目から人員配置基準に加算することができます。
○介護技能実習の実習期間と再入国の可能性
優良な監理団体、優良な実習実施機関と認定されていない場合
実習期間は3年。実習期間終了後は、技能実習での再入国はできません。
優良な監理団体、優良な実習実施機関と認定された場合
実習期間は5年。実習期間終了後は、技能実習での再入国はできません。
入国後講習について
介護においては、基本的には、技能実習制度本体の仕組みによるが、日本語学習と介護導入講習については、以下の内容によることとする。
講 習 内 容 |
① 日 本 語 学 習 科目/時間数 |
② 介 護 導 入 講 習 科目/時間数 |
---|---|---|
日本語学習【詳細は①】 240時間 |
総合日本語 100時間 |
介護の基本Ⅰ・Ⅱ(講義) 6時間 |
介護導入講習【詳細は②】 42時間 |
聴 解 20時間 |
コミュニケーション技術(講義・演習) 6時間 |
法的保護等に必要な情報 ※(1)8時間 |
読 解 13時間 |
移動の介護(講義・演習) 6時間 |
生活一般 --- |
文 字 27時間 |
食事の介護(講義・演習) 6時間 |
総時間数(目安) ※(2)290~320時間 |
発 音 7時間 |
排泄の介護(講義・演習) 6時間 |
--- |
会 話 27時間 |
衣服の着脱の介護(講義・演習) 6時間 |
--- |
作 文 6時間 |
入浴・身体の清潔の介護(講義・演習) 6時間 |
※(1)技能実習制度本体上定められているもの。 |
介護の日本語 40時間 |
--- |
※(2)総時間数については、第1号技能実習の予定時間全体の1/6(入国前講習を受けた場合は1/12)以上とされている。 |
合 計 240時間 |
合 計 42時間 |
(1)日本語学習の科目・時間数は、上記を標準として、各監理団体において、設定をする。
N3程度以上を有する実習生については、介護現場での日本語を学習するという観点から、
①日本語学習のうちの「発音」「会話」「作文」「介護の日本語」の所定の時間数の
受講を要件とし、その他の項目は、実習生に応じて、柔軟に設定できることとする。
(80時間。科目・時間数については標準として設定)
大学又は大学院で日本語教育課程を履修し、卒業又は修了した者その他これと同等以上と認められる者(※)
(※)大学又は大学院で日本語教育科目26単位以上修得し、卒業又は修了した者、日本語教育能力検定試験に合格した者
介護福祉士養成施設の教員として、介護の領域の講義を教授した経験を有する者その他これと同等以上と認められる者
(※)福祉系高校、実務者養成研修施設、初任者研修施設において、生活支援技術の講義を教授した経験を有する者 等