これまで、介護職種で従事する技能実習及び特定技能の訪問系サービスの従事は認められていませんでしたが、4月より一部の訪問系サービスの従事が認められました。
【介護職】訪問系サービスへの従事が認められました
2025年4月1日付「厚生労働省告示」により、技能実習制度 介護職種にて、訪問系サービスへの従事が認められ、技能実習を行わせる事業所の要件が変更されました。これに伴い、「特定の職種及び作業に係る技能実習制度運用要領-介護職種の基準についてー」も更新されました。
1. 訪問介護等訪問系サービスの業務への従事について
技能実習生による訪問介護等訪問系サービスの業務への従事について、受入事業所が遵守すべき要件の概要は以下の通りです。
- ●技能実習生に対し、訪問介護等の業務の基本事項等に関する研修を行うこと
- ●技能実習生が訪問介護等の業務に従事する際、一定期間、責任者等が同行する等により必要な訓練を行うこと
- ●技能実習生に対し、訪問介護等における業務の内容等について丁寧に説明を行いその意向等を確認しつつ、キャリアアップ計画を作成すること
- ●ハラスメント防止のために相談窓口の設置等の必要な措置を講ずること
- ●技能実習生が訪問介護等の業務に従事する現場において不測の事態が発生した場合等に適切な対応を行うことができるよう、 情報通信技術の活用を含めた必要な環境整備を行うこと
- ●技能実習生が訪問系サービスに従事するに当たっては、介護事業所等での実務経験が1年以上ある技能実習生であることを原則とすること
- ●受入事業所において、技能実習生が利用者の居宅を訪問する場合があることなどについて、利用者やその家族に対して事前に丁寧な説明を行うこと(書面を交付して説明し、当該利用者又はその家族に当該書面への署名を求めること) など
*受入事業所が技能実習生を訪問系サービスに従事させる場合は、技能実習計画の認定の申請をする前に、あらかじめ遵守事項等確認機関から上記の遵守すべき事項等の確認をうけたことを証明する書面(適合確認書)の交付を受ける必要があります。
*介護事業所等で従事する技能実習生について、技能実習を行わせる事業所を法人内の訪問系サービス事業所に変更する場合、技能実習計画の変更認定申請が必要であることに留意してください。
2. 技能実習を行わせる事業所の要件の変更について
技能実習を行わせる事業所について、以前は開設後3年以上経過していることのみが要件でしたが、2025年4月1日以降は、以下の①~③のいずれかの要件を満たしていることに変更になりました。
- ①開設後3年以上経過しているものであること
- ②当該事業所を経営する法人において、介護等の業務を行う他の事業所が開設後3年以上経過しているものであること
- ③当該事業所を経営する法人について、次の(ⅰ)~(ⅳ)に掲げる全ての要件を満たすこと
- (ⅰ)当該事業所の利用者及びその家族が安心してサービスを利用することができるよう、技能実習生に対する研修体制及びその実施が確保されていること
- (ⅱ)技能実習生並びに当該事業所の職員及び利用者等からの相談体制が確保されていること
- (ⅲ)技能実習生の受入れについて、技能実習開始前に当該事業所の職員並びに当該事業所を利用する者及びその家族等に対して、説明会等が行われていること
- (ⅳ)技能実習生の受入れに関して、当該事業所を経営する法人内における協議体制が確保されていること
3. 訪問系サービスにおける「介護技能実習評価試験」の試験実施
訪問系サービスにおける「介護技能実習評価試験」の試験実施については、所管省庁と試験実施機関とで、調整を進めているようです。
詳細は下記のリンクをご参照ください。
国際人材協力機構:【技能実習 介護職種】訪問系サービスへの従事が認められました