外国人技能実習機構より、2023年度の「帰国後技能実習生フォローアップ調査」の結果が届きました。
調査結果の中で気になるポイントを、掻いつまんでご紹介いたします。
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帰国後技能実習生フォローアップ調査とは
「帰国後技能実習生フォローアップ調査」とは、技能実習を修了して帰国した技能実習生に対して、帰国後の就職状況や職位の変化、日本で修得した技能・技術・知識の活用状況等を調査したものです。
技能実習制度の有用性を図るためのものですが、技能実習の実態を知るためにも有効なものとなっており、2018年度から毎年度実施されています。
今年度の調査対象者31,666名のうち有効回答数は7,936件となっています。
気になる調査結果その1:帰国後の就職状況
やはり気になるのは技能実習を終えて帰国した後の就職状況です。
- 1位 働いている 31.1%
- 2位 特定技能で日本に戻る 21.1%
- 3位 仕事を探している 20.3%
1位の「働いている」と答えた中で「技能実習と同じ職種・または同種の職種で働いている」という回答が65.1%でした。2位の回答も「特定技能で日本に戻る」となっており、技能実習での経験がその後にもしっかり活かされているといえます。
気になる調査結果その2:実習で役に立ったこと
「技能実習で学んだことが帰国後に役に立った」という回答が92.1%と、例年通り高い水準となっています。その中でも「特に役に立った」と回答された内容が以下のものとなります。
- 1位 修得した技能 76.0%
- 2位 職場の規律 67.6%
- 3位 日本での生活経験 66.8%
以下、「日本語能力の修得」が65.2%と続いており、技能に加え日本での規律正しい職場環境や生活様式、そして日本語能力の修得等「日本での様々な経験」についてポジティブな意見が寄せられています。
気になる調査結果その3:実習中の禁止事項
技能実習中の禁止事項の有無について「禁止事項無し」という回答が97.4%でした。人権への配慮もありますが、技能実習生の実習への自覚の高さも関係しているのかもしれません。
「禁止事項あり」と回答した2.6%の内訳は以下の通りです。
- 1位 携帯電話の使用禁止 1.1%
- 2位 男女交際禁止 0.9%
- 3位 技能実習生のみの外出禁止 0.7%
気になる調査結果その4:実習中困ったこと
「技能実習中に何か困ったことはありましたか」という問いに対して「なし」という答えが82.4%と、概ね問題なく実習を修了したことがうかがえます。
実習中困ったと答えた中で特に多かった回答は以下のものとなります。
- 1位 家族と離れてさみしかった 55.1%
- 2位 残業が少ない 34.4%
- 3位 仕事が厳しい・きつい 23.1%
家族と会えないさみしさ、そして円安からの仕送りの大変さなど「技能実習を頑張るモチベーションは家族である」ということを強く感じさせる結果となっています。
まとめ
2023年度帰国後技能実習生フォローアップ調査について、気になる調査結果についてご紹介しました。技能実習生をとりまく環境はどんどん改善されていますが、今後制度が変わった以降もさらに向上していくことでしょう。