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2020/10/16

【表でわかる】「技能実習」と「特定技能」の違いと建設分野のルール

【表でわかる】「技能実習」と「特定技能」の違いと建設分野のルール

特定技能ビザは2019年4月1日に開始されて1年半がたちました。

エヌ・ビー・シー協同組合でも、特定技能の登録支援機関としてご依頼いただくことが多くなってきた印象がありますが、そもそも何が違うのか、初めて外国人を雇用される方にとってわからない点も多いかと思います。

今回は「特定技能」と「技能実習」の違いをテーマごとにわかりやすく図解してみました。

どのような制度か

技能実習 特定技能
日本企業の技術者が、OJTを通じて後進国・発展途上国の経済発展を担う人材を育成する国際貢献制度 深刻化する人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材の確保のための取り組みをおこなってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていくもの

以上の通り、つまり査証(ビザ)が違えば来日する目的が異なるといえます。

期限の違い

技能実習 特定技能
技能実習1号→2号→3号と更新することができる。
1号→1年間
2号→2年間
3号→2年間
合計:5年
特定技能1号→2号と更新することができる。
1号→5年間
2号→5年間
合計:10年間

在留資格の更新は、いずれも最低年に1度申請は必須で、1号から2号などに変更する際は試験や要件が伴います。

以上は最長の年数とお考えください

各ビザを取得する要件(シンプルに)

ちなみに特定技能2号でも終了した場合、永住権を取得できる可能性があります。

つまり特定技能の在留資格を取得するために、技能実習で来日しているケースもあるといえます。

特定技能は2019年に認められた制度である以上、特定技能の2号としては、まだ取得した人はいませんが、技能実習生として配属した人が特定技能1号・2号も視野にいれている建設分野の事業様も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

以下は、建設分野において技能実習・特定技能についてのルールをふれておきます。

建設分野のルール 1、技能実習

建築現場

まずは技能実習から、技能評価制度が整備されている職種について

建設関係(22職種33作業)

さく井

パーカッション式さく井工事作業・・・パーカッション式さく井機を使用してさく井工事をおこなう。

ロータリー式さく井工事作業・・・・・ロータリー式さく井機を使用してさく井工事をおこなう。

建 築 板 金

ダクト板金作業・・・空気調和設備、換気設備、排煙設備などに用いる建築設備の一つであるダクトを製作し、取り付ける作業をいう。

内外装板金作業・・・建築物の内装(内壁、天井など)、外装(外壁、屋根、雨どいなど)に係る金属製内外装材を加工し、取り付ける現場施工作業をいう。

冷凍空気調和機器施工

冷凍空気調和機器施工作業・・・冷凍空気調和機器の据え付け、分解、組立および調整作業ならびに冷媒配管作業をいう。

建 具 製 作

木製建具手加工作業・・・手工具などを使用し、木材の切断、加工、組立、塗装、金具の取り付けなどの諸工程をとおして木製建具の製品を製作・加工する作業をいう。

建 築 大 工

大工工事作業・・・木造建築物に対する大工工事で、木材を加工して組み立てをおこない、家屋や神社仏閣などの木造建築物を建築する作業をいう。

型 枠 施 工

型枠工事作業・・・組立て場所又は加工場で型枠材料を使用して加工図に応じた事前加工を行い、組立て場所及び加工場における楊重・運搬に係る作業を経て組立て場所(建設現場)における施工工程の組立て・解体に関する作業をいう。

鉄 筋 施 工

鉄筋組立て作業・・・機械工具を使用して「鉄筋」を所定の寸法に「加工(切断・曲げ)」して配置し、所定の形状の骨組みに結束具及び結束線を使用して「手作業により組立てる作業」をいう。

と び

とび作業・・・建築現場(木造建築物)、建設現場(高層・低層ビル工事)、土木工事現場(造成・道路・橋梁・ダム)等で足場等の仮設構造物の建て方、解体、重量物運搬等を行う作業を指し、とび作業の段取り、掘削・土止め及びその他の基礎工事作業を含めてとび作業という。

石 材 施 工

石材加工作業・・・大理石(石灰岩の変成岩)、花こう岩〔御影石(みかげいし)〕等の石材を、手道具又は石工用機械を使用して、切断、表面研磨、像刻み、碑文彫り、石塔・石臼(いしうす)等の加工仕上げを行う作業をいう。

石張り作業・・・・大理石(石灰岩の変成岩)、花こう岩〔御影石(みかげいし)〕、粘板岩(スレート)、砂岩、硬石・中硬石・軟石等の石材を張り石加工し、敷石張り工事、壁石工事、天井石工事等を各種工法により、床、壁、柱、塀、石垣等の躯体構築物等に張り付ける作業をいう。

タイル張り

タイル張り作業・・・モルタル及び接着剤を使用し、割り付け図にしたがって段取り、タイル張り、化粧目地仕上げ等の工程により、磁器質、せっ器質、陶器質等のタイルを所定の位置に張り付け、表面を仕上げる作業をいう。

かわらぶき

かわらぶき作業・・・屋根下地(野地板)に屋根工事(ここでは「瓦、厚形スレート等により屋根をふく工事」をいう。)を行う作業をいう。

左 官

左官作業・・・こて(鏝)およびこて板を使用し、建物の壁や床、土塀などに対し、塗り仕上げる左官工事施工作業をいう。

配 管

建築配管作業・・・・・「建設業法で定義された管工事」を行う作業をいう。また、水道、ガス等の配管工事のうち水道メータ、ガスメータ等の流量測定装置から下流の配管作業が対象となる。

プラント配管作業・・・「プラント及びその関連設備並びに関連装置〔塔槽(とうそう)類・反応器・熱交換器・圧縮機・ポンプ・ブロワ・ろ過機・分離機・加熱炉等〕の連絡配管の管工事」を行う作業をいう。また、水道、ガス等の配管工事のうち水道メータ、ガスメータ等の流量測定装置から下流の配管作業が対象となる。

熱絶縁施工

保温保冷工事作業・・・冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、動力設備又は燃料工業・化学工業等の各種設備の保温保冷工事作業をいう。

内装仕上げ施工

プラスチック系床仕上げ工事作業・・左官が仕上げたコンクリート床や大工が仕上げた木造床の床面に基準線を引いて、中心からプラスチックタイルや塩化ビニルシートを床面や階段部に柄を合わせながら張り付ける作業をいう。

カーペット系床仕上げ工事作業・・・左官が仕上げたコンクリート床や大工が仕上げた木造床の床面及び階段に基準線を引いて、これに基づきカーペット等を床面や階段部に柄を合わせ縫製を施し敷き込む作業をいう。

鋼製下地工事作業・・・・・軽量鉄骨の鋼製下地に補強材料を使用して、電気溶接やビス止めにより、天井や壁下地を施工する作業をいう。

ボード仕上げ工事作業天井や壁の鋼製下地や木製下地に、各種ボードを用途別にビス止め、ステープル止め、接着剤張りによりボード仕上げを行う作業をいう。

カーテン工事作業・・・・・カーテンの取付け場所の確認及び採寸、カーテンの製作及び施工の作業をいう。

サッシ施工

ビル用サッシ施工作業・・・建築物(主としてビル)の開口部に「窓」や「扉」等のビル用サッシを取り付ける作業をいう。

防 水 施 工

シーリング防水工事作業・・・外壁と窓枠や、プレキャストコンクリート相互間の目地に防水を目的としてシーリング材を充填あるいは、はめ込む作業をいう。 ペースト状の材料を充填して仕上げる不定形シーリング材と予め成形されたものをはめ込む定形シーリング材を使用する作業が ある。

コンクリート圧送施工

コンクリート圧送工事作業・・・建設現場等に運搬された生コンクリート(レディミクストコンクリート)を、コンクリートポンプ(コンクリートポンプ車)と輸送管機材等を使用して、機械的圧力により所定の箇所又は所定の型枠内に圧送し配分(建設現場等で生コンクリートを流しこむこと。)する作業をいう。

ウェルポイント施工

ウェルポイント工事作業・・・地下水位の低下による地盤改良工事作業をウェルポイント工法(デイープウェル工事を除く。)により行う作業をいう。

表 装

壁装作業・・・壁紙を建築物の天井、壁、床、造作、その他の部分に仕上げとして張り付ける作業をいう。

建設機械施工

押土・整地作業・・押土・整地機械(ブルドーザ)を使用して走行操作、施工作業及び点検作業を行う。

積込み作業・・・・積込み機械(トラクタショベル)を使用して走行操作、施工作業及び点検作業を行う。

掘削作業・・・・・掘削機械(油圧ショベル:バックホウ)を使用して走行操作、施工作業及び点検作業を行う。

締固め作業・・・・締固め機械(ロードローラ)を使用して、施工作業(特別教育の受講修了証が必要)及び点検作業を行う。

築 炉

築炉作業・・・炉を安定稼動させるため、炉の内面に、最新の施工技術を用いて、高度の品質管理により耐火物を施工する作業をいう。

 


これらがあります。

大項目はことなるものの、

塗 装

建築塗装作業・・・建築物内外部のコンクリート、木部、金属、ボード類、モルタル等の素地に対して行う塗装及びこれに関連する作業をいう。

金属塗装作業・・・金属性素材や非鉄金属・合金材及びめっき材等で構成される対象物に対して行う塗装及びこれに関連する作業をいう。

鋼橋塗装作業・・・鋼製橋梁や鋼構造物等を構成する構造物または付属物に対して行う塗装及びこれに関連する作業をいう。

噴霧塗装作業・・・噴霧塗装用の機械、噴霧塗装用設備等を使用して工業塗装作業等における被塗装物及び塗料の種類に応じた噴霧塗装の方法により行う作業をいう。

溶 接

手溶接・・・・アーク溶接機を使用し、手作業による溶融溶接(融接)をおこなう。

半自動溶接・・半自動アーク溶接機を使用し、手作業による溶融溶接(融接)をおこなう。

 

これらの職種が移行対象職種(技能実習1号から2号へ移行が認められている)業種となります。

つぎに技能実習の要件として3つ挙げます。

建設分野における技能実習の要件
建設業許可を取得していること 給与を月給制とすること 建設キャリアアップシステムを登録すること

特に建設業キャリアアップシステムにおいては、事業者および技能実習生の登録が必須となりますので、ご注意ください。

詳しくは「建設キャリアアップシステム」のサイトをご確認ください。

建設分野のルール 2、特定技能

建築現場

次に、建設業種で特定技能が認められている職種について

先ほどの移行対象職種軸に考えますと、

職種名 作業名
建築板金 ダクト板金
内外装板金
建築大工 大工工事
型枠施工 型枠工事
鉄筋施工 鉄筋組立て
とび とび
かわらぶき かわらぶき
左官 左官
配管 建築配管
プラント配管
熱絶縁施工 保温保冷工事
内装仕上げ施工 プラスチック系床仕上げ工事
カーペット系床上げ工事
鋼製下地工事
ボード仕上げ工事
カーテン工事
コンクリート圧送施工 コンクリート圧送工事
表装 壁装
建設機械施工 押土・整地
積込み
掘削
締固め

こちらが現時点で認められている建設職種となりますので、全職種において移行が可能というわけではないことをご注意ください。

【建設分野における特定技能の要件】

  • ・建設業許可を取得していること
  • ・月給制とし、同じ技術をもった日本人と同等以上となる給与を設定すること
  • ・建設キャリアアップシステムを登録すること
  • ・一般社団法人建設技能人材機構(通称:JAC)に所属する正会員に、入会している39団体の組合員であること
     もしくは賛助会員として登録すること

これらが定められております。

なお、「一般社団法人建設技能人材機構(JAC)」に所属するにあたり、特定技能の人数に対し受入れ負担金が生じます。

受入れ負担金

特定技能外国人の区分 1人あたりの受入負担金
特定技能評価試験への試験合格者
(JACがおこなう教育訓練を受けた方)
20,000円/月
240,000円/年
特定技能評価試験への試験合格者
(JACがおこなう教育訓練を受けていない方)
15,000円/月
180,000円/年
試験免除者(技能実習2号・3号修了者) 12,500円/月
150,000円/年

詳細につきましては「一般社団法人建設技能人材機構(JAC)」のサイトをご確認ください。

最後に特定技能と技能実習について、様々な項目から一覧をまとめておきます。

項目 技能実習 特定技能
制度 人材を育成する国際貢献制度 人手不足の業種への即戦力の受入
年数 3年~最長5年 5年~最長10年
職種 建築のみで39作業(塗装溶接含む) 建築のみで22作業
雇用状況 正社員とし転職不可 正社員とし転職可
給与 日本人の同作業社員と同等以上 日本人の同作業社員と同等以上かつ技能実習以上
日本語能力 日本語を初めて学ぶ人が多い 原則N4レベル以上
(基本的な日本語を理解することができる)
実習指導員の選定やOJTの有無 有り 無し
実習責任者の講習受講義務 有り 無し
1人あたりの住居スペースの㎡数 4.5㎡以上 7.5㎡以上
人数制限 従業員数:年間人数
301人以上:申請者の常勤の職員の総数の1/20
201人以上300人以下:15人
101人以上200人以下:10人
51人以上100人以下:6人
41人以上50人以下:5人
31人以上40人以下:4人
30人以下:3人
建築のみ 従業員数を超えてはならない
技能検定 有り 無し
監査 実習機構 出入国在留管理庁
入国後講習 有り(160時間以上) 無し
日誌 有り 無し
技能実習2号からの移行 技能実習3号への移行は
優良認定 かつ
一時帰国が必要
特定技能1号への移行は一時帰国が不要
協会などへの加入 監理団体型の場合、協同組合の加入 登録支援機関の加入
建築のみJACの加入
協同組合の基本巡回数 毎月 1回/3ヶ月
サポート方法 監査 支援