お役立ちコラム

2019/08/29

平成30年実習実施者の監督指導、送検状況について

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今年8月、厚生労働省は、全国の労働局や労働基準監督署が平成30年に外国人技能実習生の実習実施者に対しておこなった監督指導や送検等の状況について取りまとめ、公表しました。

 

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外国人技能実習制度とは、「外国人技能実習生が日本での実習を通じて、将来の母国の経済発展をになう人材になる」ことを目的とした、国際貢献の制度です。

 

エヌ・ビー・シー協同組合では、実習実施者の皆様のもとを定期訪問し、技能実習がつつがなくおこなわれているか、私生活で問題がおきていないかなど、実習生をたえず気にかけ問題を未然に防ぐよう心がけています。

 

しかし技能実習生が有意義な実習生活をおくるためには、何より実習実施者のご協力が必要です。

エヌ・ビー・シー協同組合で監理している技能実習生が健全に実習に取り組めるのは、弊組合の組合員である実習実施者のみなさまが外国人技能実習制度の意義をご理解され、しっかりご協力いただいているおかげです。

 

改めてお礼申し上げます。

 

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しかし、他監理団体の実習実施者においては、労使協定を超えた残業、割増賃金の不払い、危険や健康障害を防止する措置の未実施などの労働基準関係法令に違反する事例が依然として存在しています。

ほんの一部の悪質な実習実施者が、といいたいところですが、残念なことにかなりの数にのぼります。

こうした中、全国の労働局や労働基準監督署は、実習実施者に対し監督指導を実施することで、技能実習生の適正な労働条件と安全衛生の確保に取り組んでいます。

 

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~厚生労働省によりますと~

 

■平成30年の監督指導・送検の概要

 

・労働基準関係法令違反が認められた実習実施者は、監督指導を実施した7,334事業場(実習実施者)のうち5,160事業場(70.4%)であった。

 

・主な業種に対する監督指導の状況は、

①機械・金属(事業場数2,830件/違反事業場数1,937件)

②食料品製造(事業場数1,271件/違反事業場数936件)

③繊維・衣服(事業場数782件/違反事業場数502件)

④建設(事業場数659件/違反事業場数474件)

⑤農業(事業場数184件/違反事業場数124件)

であった。

 

・主な違反事項は

①労働時間(23.3%)

②使用する機械に対して講ずべき措置などの安全基準(22.8%)

③割増賃金の支払(14.8%)

④就業規則(8.1%)

⑤衛生基準(7.6%)

の順に多かった。

 

・重大・悪質な労働基準関係法令違反により送検したのは19件であった。

 

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■監督指導の事例

 

「長時間労働に関する情報提供を端緒に、夜間に監督指導を実施」

 

・「技能実習生が夜遅くまで働いている」との匿名の情報を端緒に、午後9時以降に縫製業の事業場へ立入検査を実施したところ、実際にその時間まで技能実習生を労働させていた。

・労働時間の記録を調べたところ、直近6か月間において、在籍している技能実習生4名に対して恒常的に月80時間を超える時間外・休日労働(最長者は月105時間)を行わせ、1日しか休日がない月があるなど、36協定の締結・届出がないまま違法な時間外・休日労働を行わせていた。

・割増賃金は1時間当たり500円の単価で支払われていた。

・賃金台帳に労働日数、時間外・休日労働時間数を実際よりも過少に記載していた。

・直近6か月間より前の労働時間の記録が破棄され、記録が保管されていなかった。

 

以上、複数の違反が判明したため、4項目の指導を行った。

 

①(労働基準法第32条、第35条違反)

・技能実習生に対して、36協定を締結することなく、違法な時間外・休日労働を行わせていたため是正勧告した。

また、過重労働による健康障害防止対策として時間外・休日労働時間の削減を併せて指導した。

②(労働基準法第37条違反)

・法定の割増率(時間外労働は25%、休日労働は35%)以上で割増賃金を計算し、不足分を支払うよう是正勧告した。

③(労働基準法第108条違反)

・賃金台帳に実際の労働日数・時間外労働時間数を記載するよう是正勧告した。

④(労働基準法第109条違反)

・労働時間の記録を3年間保存するよう是正勧告した。

 

指導の結果、以下の通り改善されることとなった。

 

・36協定の締結・届出を適正に行うとともに、長時間労働を前提としない生産計画へ転換し、時間外・休日労働を月45時間以内に削減した。

・技能実習生全員に対し、時間外・休日労働に対する割増賃金の不足額、総額約120万円が支払われた。

・賃金台帳に実際の労働日数・労働時間数を記載するとともに、労働時間の記録を3年間保存することとした。

 

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全国の労働局や労働基準監督署は、監理団体および実習実施者に対し、労働基準関係法令などの周知・啓発に努めるとともに、労働基準関係法令違反の疑いがある実習実施者に対しては監督指導を実施し、引き続き、技能実習生の適正な労働条件と安全衛生の確保に重点的に取り組んでいく姿勢です。

なお、度重なる指導にも関わらず、法令違反を是正しないなど重大・悪質な事案に対しては送検を行い、厳正に対応していくことも明言しています。

 

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技能実習生が日々安心して実習に取り組むには、実習実施者の皆様のご協力が不可欠です。

 

私たちエヌ・ビー・シー協同組合は、これからも技能実習生ならびに実習実施者の皆様を真摯にサポートをしてまいります。

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