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2019/06/13

『特定技能ビザ』と『技能実習生ビザ』 違いは?

技能実習制度は「国際貢献」を目的とした制度であり、日本の優れた技術を身につけていただいて、母国の産業発展に活かしてもらうことを目的としており、それ以上でもそれ以下でもありません。

 

しかしながら、現状の外国人技能実習生を受け入れている企業の規模は、2017年のJITCO(公益財団法人 国際研修協力機構統計) では10人未満が50.4%、10~19人が15.6%、20~49人が15.3%となっており、技能実習生受入企業の実に全体の70%弱が従業員19人以下の中小零細企業であることが分かります。

 

ここ近年でも皆さんの街中で技能実習生を見かける機会は格段に増えたのではないでしょうか?

 

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そもそも、日本国政府(法務省・厚生労働省)は在留資格「特定技能1号」を取得するために合格することが必須である日本語試験を、国際交流基金主催のもと当初8か国(ベトナム、中国、フィリピン、インドネシア、タイ、ミャンマー、カンボジア、残り1か国は調整中)で行なうこととし、理論上はともかく、事実上は海外から招聘する外国人労働者の国籍は当面はこの8か国が中心としていく流れがあります。

 

当然、技能実習は「国際貢献」の仕組なので、日本国と相手国との国家間の取り決めが必要で、取り決めが無い国からは技能実習生を呼ぶことは出来ません(現在、技能実習生として迎えることができる可能性がある国は、インド、インドネシア、ウズベキスタン、カンボジア、スリランカ、タイ、中国、ネパール、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、ペルー、ミャンマー、モンゴル、ラオスの15ヵ国のみになります)。

 

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一方、特定技能ビザは現段階で日本国政府が定めた改正入管法において、無制限に外国人労働者が流れ込まないように一定の措置を設けています。

 

例えば、業界を管轄する各省の大臣は、その業界において人材が確保され人材不足が解消されたと認める時は、法務大臣に対し一時的に特定技能の在留資格認定証明書の交付を停止する措置を求めることができるとしています。

そして、再びその業界において「人材が不足する」と認められた時には、所管の大臣が法務大臣に対し特定技能の在留資格認定証明書の交付を再開する措置を求めることができるともしています。

 

つまり、「人材不足が続けば外国人労働者に特定技能ビザが交付されますが、労働市場において需給が均衡すれば、外国人労働者の流入はストップさせますよ。」といった内容です。

 

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そういった背景から、政府の取り決めが整備されているベトナムや中国からの受け入れ後、3年~最大5年就労した上で、日本国が定めた条件に沿う人材のみ「技能実習」⇒「特定技能」にビザの切替ができるものとしています。

衆議院の法務委員会の審議の過程で政府が明らかにした所によると、技能実習生から特定技能ビザへ移行する人が特定技能ビザで滞在する人全体に占める割合は、2019年度から5年間ではおよそ45%で、12万人~15万人になるものと予想されています。

 

ただ、技能実習を終了した外国人が帰国せず、日本にいながらにして在留資格を「技能実習」から「特定技能」に変更許可申請をすることができるのか、それとも一度本国に帰国してから改めて在留資格認定証明書交付申請によって招聘するのかは本記事執筆時(2018年11月末日)では判明していませんが、日本国政府が2019年~5年間で最大34万人(予想12万人~15万人)までと上限を設けておりますので、不確定ではあるものの、今までの経緯からその市場の流れに沿って行くのではないのかと推察できます。

 

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つまり、今後の日本での就業事情は、技能実習生が「国際貢献」や「発展途上国への技術移転」を目的とする一方、特定技能ビザはストレートに日本の人手不足の解消を目的としていますので、国際貢献という相手国ファーストの制度ではなく、日本ファーストの制度を推奨していく運びだと言えます。

さらに特定技能ビザの場合は技能実習生ビザと異なり、監理団体や送り出し機関を通さず、理論上、企業と特定技能ビザ対象者が直接的に雇用条件を結べます(※登録支援機関の利用は任意)ので、今後、ビザ発給が増加されていくのは「特定技能ビザ」だと思われます。

 

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「技能実習生」⇒3年間~5年間満了⇒「特定技能」最大5年間就労といったビザの移行スキームで最大10年間、日本で就労する人材も今後は出てくるかもしれません。

 

兎にも角にも今回の特定技能ビザ発給に伴う日本国の方針は今後も諸外国と歩み寄っていくことのあらわれなのかもしれませんね。




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